熊本市議会 外国人住民の増加に伴う多文化共生施策と埋葬(土葬)に関する答弁 — 2025年6月

自治体熊本市
議会・日程令和7年第2回定例会 06月17日
出典URLhttps://x.gd/FVB4i

キーワード

多文化共生施策、熊本イスラミックセンター、異文化理解講座、埋葬、土葬、宗教的側面

要約

下記はAIによる要約です。正確な内容は出典元の議事録をご確認ください。

議員は、外国人住民の急増に伴う孤立や治安への懸念を指摘し、今後の多文化共生施策のビジョンを質問しました。また、イスラム教徒らが希望する土葬について、日本の火葬文化や地域住民の合意を尊重しつつも、人間の尊厳に関わる問題として市の方針を質しました。これに対し政策局長は、国際交流会館を拠点とした交流機会の創出や、外国人コミュニティとの連携強化に努めると答弁。健康福祉局長は、遺族の要望に沿うことが望ましいとしつつも、現時点で市内に具体的な相談はなく、体制整備は行っていないため、今後の国内動向を注視していくと述べました。

引用全文

※以下は議事録の引用全文です。本文の著作権は熊本市に帰属します。著作権法上の引用および公共データ利用規約に基づき掲載しています。要約はAIにより生成したものであり、正確な内容は出典元の議事録をご確認ください。

◆瀬尾誠一 議員  議席番号4番、瀬尾誠一でございます。
 本日、一般質問の機会をいただきましたこと、先輩議員並びに同僚議員の皆様に心より御礼申し上げます。また、平日の午前中とお忙しい中にもかかわらず、傍聴においでいただいた方々やインターネット中継にて御覧いただいている皆様へも重ねてお礼申し上げます。
 それでは、早速、通告に従い質問に移らせていただきます。市長並びに執行部の皆様におかれましては、明快な御答弁のほど何とぞよろしくお願い申し上げます。
 まずは、ふるさと納税について、その中でもまずは個人版のふるさと納税について触れてまいりたいと思います。
 皆様御承知のとおり、ふるさと納税制度は都市と地方の税収格差を是正し、地域活性化を促進する目的で2008年に創設されました。納税者が居住地以外の自治体に寄附を行うことで地域の特産品やプロジェクトを支援し、地域とつながりを深める仕組みでございます。この制度は、地域への愛着や関心を高め、関係人口の拡大にも寄与しています。
 しかしながら、本市においてはふるさと納税による収支が赤字となっている状況が続いております。2023年度の寄附額は約8億円であった一方、控除額は約26億円に達し、国の地方交付税による補填を差し引いても1億2,500万円の赤字、このような状況を踏まえ、他の自治体の成功事例に学び、本市のふるさと納税の活用方法を再検討する必要があると考えます。
 例えば、宮崎県都城市では地域の特産品である肉や焼酎を中心とした返礼品を提供し、2022年度には受入額が195億9,300万円に達しました。様々な要因がありますが、市長自らが先頭に立たれ、地域の魅力を発信することで寄附額の増加につなげています。また、青森県田舎館村では田んぼアートを活用した地域振興により、年間30万人以上の観光客を集め、地域の活性化に成功しています。
 これらの事例から学ぶべき点は、単なる返礼品の充実だけでなく、地域の魅力やストーリーを効果的に発信し、寄附者との共感を生むことが重要であるということです。本市においても、地域資源を活用したプロジェクト型の寄附や地元企業との連携によるブランディング施策を検討すべきではないでしょうか。また、ふるさと納税を通じて観光や移住の促進、関係人口の拡大を図ることも十分可能となり得ます。
 以上を踏まえ、以下の点について政策局長に本市の見解をお伺いします。
 1つ目は、赤字の要因は何か。本市のふるさと納税における実績と現状の課題認識、今後の改善策について。
 2つ目に、地域資源を活用したプロジェクト型の寄附や地元企業との連携によるブランディング施策の導入についての今後の具体的な計画についてお伺いします。
 以上、よろしくお願いいたします。
         〔木櫛謙治政策局長 登壇〕

◎木櫛謙治 政策局長  個人版ふるさと納税に関する御質問にお答えいたします。
 本市における令和6年度の寄附額は10億円を超える見込みでございまして、年々伸びておりますものの熊本市外への寄附額も同様に増加しておりますことから、本市へのさらなる寄附増加に向け、取り組む必要がございます。
 そこで、本市の人気返礼品であります牛肉や馬肉、フルーツ等の安定確保に努めますとともに、本市ならではの体験型返礼品の充実に取り組んでおります。
 次に、プロジェクト型の寄附やブランディング施策についてでございますが、本市におきましては、地域資源を活用した寄附といたしまして、熊本城の復旧・復元に向けた寄附や熊本市動植物園開園100周年を記念した寄附などを受け付けております。
 また、首都圏におきまして、本市の特産品を使った料理をふるまうイベントを行うなど、ふるさと納税に関するPRを行っております。
 今後は、さらに地元生産者や企業と連携し、本市の特産品の魅力を伝えますことで寄附額の増加を目指しますとともに、観光や移住の促進等、関係人口の増加につなげてまいります。
         〔4番 瀬尾誠一議員 登壇〕

◆瀬尾誠一 議員  本市のように財政赤字が常態化しつつある自治体においては、単なる寄附額にとどまらず、地域ブランドの再構築や戦略的な歳入確保策としての位置づけが求められます。
 返礼品の訴求力に加え、寄附金の使途を社会的意義の高い政策と結びつけることで市民及び全国の寄附者の共感を喚起し、実際のバナー向上にも寄与することは明白です。ぜひ地元生産者の方々や関連企業との連携をさらに強めていただき、赤字を黒字に、増益増収につながるよう努めていただきたいです。
 続きましては、企業版ふるさと納税について。
 企業版ふるさと納税制度は、2016年度に創設され、企業が地方自治体の地方創生プロジェクトに寄附を行うことで法人関係税の税額控除を受けられる仕組みです。2020年の制度改正により、寄附額の最大約9割が控除対象となり、企業の参画が促進されました。
 近年、特に注目されているのが人材派遣型の取組で、企業が寄附に加えて社員を一定期間自治体に派遣し、地域課題の解決に直接貢献するものです。この制度により、自治体は専門的な知識やノウハウを持つ人材を実質的な人件費負担なしで受け入れることができ、企業は社員の地域理解や視野の拡張といった人材育成効果を得られます。
 熊本県内では、菊池市が第一生命保険株式会社と連携し、同社の社員を市の職員として受け入れる取組を行っております。このような事例は、地域と企業の双方にとって有益であり、地方創生の新たなモデルとして注目されています。
 そこで、お尋ねします。
 人材派遣型も含め、現在の本市の企業版ふるさと納税の活用状況はどのようになっていますか。具体的な寄附件数や寄附額を含め、教えてください。
 また、本市においても企業版ふるさと納税の活用を検討し、受入体制の整備や企業との連携促進を図ることが地域の活性化や人材育成に寄与すると考えますが、政策局長に見解をお伺いいたします。
         〔木櫛謙治政策局長 登壇〕

◎木櫛謙治 政策局長  企業版ふるさと納税に関する御質問にお答えいたします。
 本市におきましては、企業版ふるさと納税として受入れを開始した令和2年度以降、令和7年5月末までに計78件、2億6,300万円の寄附を頂き、貴重な財源として活用しております。
 人材派遣型につきましては、これまで活用実績はございませんが、地方自治体としては実質的な人件費負担なく、専門的知識を有する民間人材を受け入れることができ、寄附企業としても地域貢献や人材育成の機会として活用できるなど、双方にメリットがある制度と考えております。
 今後も他都市の事例を参考にしながら、本市を応援いただける企業に対し、本制度の周知活用を図り、第8次総合計画に掲げるまちづくりを着実に進めてまいります。
         〔4番 瀬尾誠一議員 登壇〕

◆瀬尾誠一 議員  個人版ふるさと納税にどうしても注目が集まってしまう中、今まであまり取り上げられることがなかった企業版ふるさと納税ですが、その分まだまだ伸び代のある取組だと思いますので、企業版ふるさと納税制度の方もさらに進めていただきたい。そうすることで案件も増加し、さらにその中には大きい案件もあり得るのではと、それほどに私は企業版ふるさと納税にも将来性に期待しているところです。
 本市としても、攻めの歳入施策としてさらにふるさと納税の活用に力を注いでいただきたいとの強い思いを込めまして、次の質問に移ります。
 続いては、多文化共生について。
 近年、TSMCをはじめとした半導体関連企業の熊本進出などもあり、本市に在住する外国人住民の数は顕著な増加を見せており、熊本市統計書によりますと2018年12月末時点で5,927人だった外国人住民数は、2023年12月末には9,061人と、この5年間で3,000人以上の増加を記録しております。
 こうした状況を鑑みるに、本市の多文化共生に対する姿勢と具体的な施策の在り方が、今まさに問われていると認識しております。市民の一員として、生活を営む外国人の方々の中には地域との接点を見いだせず、孤立を深めるケースも散見されます。例えば、配偶者が大学の研究職に就き、子供が地域の小学校に通っていても、家庭内において唯一、言語や文化の違いを理由に社会との接点を持てずにいる方が実際にいらっしゃいます。
 このような見えにくい孤立に対し、生涯学習や地域講座を媒介とした支援が期待される一方で、実際には多言語対応や文化的配慮に課題が残されているのが実情と考えます。この事例も氷山の一角に過ぎず、これから外国人がますます増えることを考慮すると、こういった事案はさらに増えてくると予測されます。
 また、文化の違いが引き起こす事件も全国的に年々増加傾向にあり、外国人による交通事故や刑法犯の件数が後を絶ちません。
 特に、今年5月には、関東地方において外国人技能実習生による無免許運転や窃盗事件が報道されるなど、治安に対する市民の不安も高まっております。さらに、熊本におきましては、外国資本による土地取得に対する懸念の声が多数寄せられており、地域の安全保障や土地の利活用の在り方について議論が求められている現状は看過できるものではありません。
 こうした中、外国人との共生を進めていく上で、私たちが今後直面せざるを得ない課題は日々の生活だけでなく、人生の終え方にまで及んでおります。その中でも、最近一部で議論されているのが、外国人の埋葬に関する問題です。日本に長期的に在住される外国人が増える中で、亡くなられた際の対応として土葬を希望する方々の墓地の確保、さらには宗教的背景に基づいた埋葬方法などが検討されますが、私はこの動きについて慎重な姿勢が求められていると考えております。
 特に、地域の文化、風習や土地利用の観点からも容易に埋葬の受入れを進めることに疑問を感じており、今後、制度の整備を進める上でも地域住民の理解と合意、そして日本の社会的基盤との整合性を十分に検討していくべきだと強く感じております。
 NHKのクローズアップ現代にて取り上げられておりましたが、主にイスラム教徒に見られる土葬の希望に対し、日本の慣習や制度としてはこの受入れを容易には認めておらず、宗教的価値観と地域の衛生、環境意識との間に緊張が生じている現状がございます。年々増えゆく土葬の希望に対し、全国で土葬を受け入れている墓地は全国に9か所あるが、九州には存在せず、九州で亡くなった遺体は土葬が可能な墓地に埋葬しているとのこと。
 お隣の大分県で起こった事例ですと、日本国籍を取得したパキスタン出身の方が別府市で埋葬する場所を探し、別府市の隣町で土地を購入し、地域住民への説明を続けていましたが、結果としては地域住民のおよそ3分の2の反対による棄却。地方の少子高齢化が進んだ中で労働人口は足りなくなり、海外からたくさんの外国人の方を招いて担ってもらわなければならない背景があり、しかしそれが30年、40年たって、この墓地という問題にぶち当たってしまった。これから本当に介護サービスであるとか、コンビニとか、そういったところで非常に多くの外国人の方々に力になっていただかなければならない現状がある中、本当に20年後、30年後の日本に対して警告をしているような問題なのではないかと感じております。
 さて、人生の最終段階において、自らの信仰や文化にのっとった埋葬がかなわないという現状は、人間の尊厳に関わる問題であり、多文化共生をうたう都市として真摯に向き合うべき課題であると考えます。
 本市が真に多様性を尊重し、世界に選ばれる上質な生活都市へと進化するためには日常的な生活支援にとどまらず、宗教的、文化的背景を包括的に享受する制度設計が求められるのではないでしょうか。
 そこで、お尋ねします。
 1つ目は、今後の多文化共生施策における基本的なビジョンと具体的な取組の見通しについて、所見をお聞かせください。
 2つ目に、本市は現在、外国人住民の文化的、宗教的価値観を尊重した埋葬の在り方について、どのような認識と方針を持たれているのか。1つ目を健康福祉局長、2つ目を政策局長にお尋ねします。

         〔木櫛謙治政策局長 登壇〕

◎木櫛謙治 政策局長  多文化共生政策に関する御質問にお答えいたします。
 本市におきましては、世界に選ばれる上質な生活都市の実現を目指して、熊本市国際戦略を策定し、この基本方針の一つに「地域国際化の推進」を掲げ、国際交流会館を拠点に多文化共生に関する施策を展開しております。
 多文化共生社会を実現するためには、日本人と外国人がお互いの文化や生活習慣等を理解し、受け入れることが大変重要であります。そのため、在住外国人と地域の日本人との交流機会となっております地域日本語教室の拡充や異文化理解講座を実施してきたところでございます。
 また、外国人の宗教的、文化的側面に由来する諸課題につきましては、在住外国人のコミュニティ団体等と連携し、課題解決を図ることも有効な手段であると考えております。
 そこで、その一例としてですが、国際交流会館におきましては、異文化理解講座の開催に当たりまして、熊本イスラミックセンターに講師派遣を要請するなど、日頃からネットワークを構築しております。
 今後とも、在住外国人が地域活動やイベントに参加しやすい環境づくりを進め、交流機会の創出に力を入れますとともに、外国人コミュニティ等関係団体との連携を深め、個別の案件にも的確に対応してまいりたいと考えております。

         〔林将孝健康福祉局長 登壇〕

◎林将孝 健康福祉局長  私からは、埋葬の在り方に関するお尋ねにつきましてお答えいたします。
 本市では、在住外国人の皆様が安心して暮らせる環境の整備を推進しており、土葬につきましても、亡くなられた方やその御遺族の御要望に沿うことが望ましいと考えております。
 イスラム教などにおいて、宗教上の理由で土葬がなされていることは承知しておりますが、現時点においては、土葬を行う場所の確保に関する具体的な御要望や御相談は本市には寄せられておりません。そのため、現段階では土葬を受け入れるための体制整備は行っておりませんが、在住外国人の増加に伴い土葬へのニーズが顕在化する可能性も考えられますことから、今後も国内の土葬が可能な墓地の実情や運営状況などについて、その動向を注視してまいります。

         〔4番 瀬尾誠一議員 登壇〕

◆瀬尾誠一 議員  現代日本における火葬の比率は、世界に類を見ない文化的特性の一つであり、私たちの社会が築いてきた衛生的観念、宗教観、そして家族観を色濃く反映するものだと言えます。
 2021年度の厚生労働省の統計によれば、火葬件数は151万2,511件、火葬比率は99.97%と実質的に全国民が火葬を選択している現状があります。これは韓国の89.6%、イギリスの78.4%、イタリアの33.2%といった国々と比較しても群を抜いて高く、日本はいかに火葬文化の成熟を遂げたかを示す象徴的な数字であると言えるでしょう。
 このような火葬文化は、決して一朝一夕に根づいたものではありません。1915年、当時の火葬率は36%、1950年でも54%と土葬と火葬が併存していた時期も長く存在しました。全国的に火葬率が9割を超えたのは1979年以降のことであり、それは単なる制度的選択ではなく、日本人が衛生、環境、宗教的意味合い、そして共同体としての配慮を重ねた結果として生まれた社会的合意とも言えます。
 そもそも、日本の葬送文化は仏教的な輪廻転生の思想と深く結びついており、火葬によって肉体を浄化し、魂が次の世界へと旅立つという観念が多くの日本人に根づいています。加えて、火葬という行為は限られた土地資源を守り、伝染病の予防や衛生管理の面でも非常に合理的であり、日本人が長い時間をかけて磨き上げてきた生活の知恵とも言えます。
 一方で、イスラム教やユダヤ教、キリスト教の一部では肉体の復活を信じる教義が基づき、土葬が主流となっている文化圏も存在します。これは各国、各地域における死生観の違いを反映したものであり、互いの文化を理解する視点で重要ですが、私たち日本人が歩んできた歴史と信仰に誇りを持ち、火葬という形に込められた精神的な意味合いを大切にしていくべきだと考えます。
 江戸時代以前の日本では、庶民が墓を所有するという文化は一般的ではなく、死者は川のほとりなどに自然と帰される形で葬られてきました。その後、人口の集中や都市の発展に伴い、火葬の技術が広まり、明治時代には国の衛生施策として制度化されてきました。
 こうした歴史的いきさつと文化的蓄積の上に、現代の日本の火葬文化は存在しています。これは単なる制度の産物ではなく、私たち祖先が長い年月をかけて培ってきた死者を尊び、汚れをはらい、自然と共生するという精神文化の結晶です。国際化が進む中にあっても、日本のこの美しく整った弔いの形は今後も大切に継承されていくべきものであり、決して安易に他国文化と同率に比較されるべきものではありません。私たちが守るべきは形式としての火葬ではなく、そこに宿る日本人の精神そのものであり、先祖を敬い、個人を清め、そして静かに送り出すという祈りの形なのです。
 私は、土葬や火葬の在り方どちらか一方を否定、肯定するつもりもなく、日本のこうした火葬の普及と制度的合理化の流れを認識しつつも、なお、先人をしのび、敬う心こそが私たちの文化的基盤であると確信しているのです。
 日本には「郷に入っては郷に従え」という言葉がありますが、その地に住まう以上、その地の習慣や文化を大切にするという考え方が根づいています。私自身、基本的にはその精神を尊重し、日本の法制度や宗教観、地域の埋葬慣行に従って生活していくことが望ましいと考えています。
 しかし同時に、この地で働き、学び、生活してきた外国人の方々が人生の最期の瞬間に直面したとき、自らの信仰や文化に従って見送られることを願うという気持ちは、同じ人間として尊重されるべきであるとも感じています。本国への送還が困難な方、あるいは日本での埋葬を望まれる方もおられる中で、本市としても制度は守りつつ、心には寄り添うという姿勢が大切なのではないでしょうか。
 今回は、多文化共生の中でも、特に埋葬の在り方についてフォーカスしてまいりましたが、多文化共生の課題は多岐にわたり、山積していると思われます。これからも議論が進み、真に世界に選ばれる上質な生活都市となることを期待し、次の質問に移ります。

 続いては、神風連資料館の展示史料について。
 昨年9月に、多くの方々から惜しまれながら閉館した神風連資料館に所蔵されていた貴重な史料の保存と活用の在り方について、質問いたします。
 時を遡ること明治9年10月、熊本の地で勃発した神風連の変は、明治新政府の中央集権化と急速な近代化に対し、尊王思想と武士の矜持を掲げた士族たちによる武装蜂起であり、この事件は日本の近代化の光と影を象徴する歴史的転換点であり、地域の歴史的特性を浮き彫りにするものでもありました。
 これらの歴史を伝える神風連資料館は、事件に関する書簡、武具、日記などの一次資料を体系的に保存、展示し、市民や研究者に開かれた知の空間でございました。しかし、閉館に伴い、これら貴重な史料の行方、保全体制、そして公開の在り方が不透明となり、文化財としての喪失の危機をはらんでいます。
 文化財や歴史的資料は単なる過去の記録ではなく、地域の記憶装置として未来の世代に継承すべき公共的資産です。資料を失えば過去だけでなく、私たちの歩んできた意味や背景も見失ってしまいます。特に、神風連のような地域密着型の出来事は、熊本の市民精神や思想風土を読み解く上で不可欠であり、その継承には行政の責任と戦略的視点が求められます。
 ほかの自治体では先進的な取組が進んでおり、例えば、鹿児島市では西郷隆盛関連資料を市立博物館で継続的に展示するだけでなく、デジタルアーカイブ化を進め、インターネットを通じて誰もが閲覧できる体制を整備しています。また、会津若松市では白虎隊関連史料を市立博物館と大学との連携で保存、研究し、教育にも積極的に活用されています。
 これらの事例に学び、本市も神風連史料を、保存から活用へと展開させられる視点が求められるのではないでしょうか。一つの方策として、デジタル保存の推進が掲げられています。近年の文化庁の方針でも、災害や経年劣化による史料の損失リスクに備えた文化財のデジタルアーカイブ化が強調されています。
 本市は、過去に震災を経験した都市であり、なおさら文化財の記録保存においては先進的であるべきです。神風連史料においても専門家によるデジタル撮影、データベース化、メタデータ管理を通して、恒久的保存と誰もがアクセス可能な市民共有材としての構築が期待されます。さらには、熊本大学などの学術機関との連携により、研究、教育、保存の三位一体モデルの構築を視野に入れるべきです。
 昨年の新聞報道によると、熊本博物館で受け入れるとの話もありましたので、その後の経過について教育長にお尋ねします。
 1つ目に、神風連資料館に所蔵されていた史料の現況と保管、管理の体制、今後の活用方針について。
 2つ目に、これらの史料を市民や研究者が継続的に閲覧できるよう、熊本博物館など、既存施設での展示やデジタル公開の体制整備を図るお考えがあるのか。
 以上、2点についてお尋ねします。
         〔遠藤洋路教育長 登壇〕

◎遠藤洋路 教育長  神風連資料館の展示史料についてお答えいたします。
 昨年9月に惜しまれつつ閉館した神風連資料館から熊本博物館に対して、史料寄贈の申出がありましたため、昨年11月から現在まで、神風連参加者の遺品など200点以上の史料の受入れを順次行っているところです。
 本史料の現況等については、熊本博物館において史料の保存処理を行った上で、収蔵庫への保管を進めている状況であり、今後、学術的な視点から史料の調査研究を行っていく予定です。
 また、展示やデジタル公開については、調査研究の成果を踏まえて、当館のホームページにおいて史料のデジタル公開を進めていくとともに、その歴史的な価値にふさわしいような展示計画を検討してまいります。
         〔4番 瀬尾誠一議員 登壇〕

◆瀬尾誠一 議員  先日、地元紙でも取り上げられた熊本城の東十八間櫓の西側の石垣背面から新たな石垣が発見されたように、この先調査研究が進むことで、いまだ発見されていなかった新しい発見があるかもしれません。市民が自らの歴史に誇りを持ち、それを未来へと語り継ぐ文化都市熊本の姿勢を内外に示すためにも、神風連史料の散逸を防ぎ、行政として記憶と記録を守る責任ある取組を強く求めます。引き続き、よろしくお願いいたします。
 歴史的経験に学ぶことで、短期的利益に左右されない政策形成が可能となります。そして、当地の正当性と安定性が担保されます。また、地域の歴史文化資源の継承は住民のアイデンティティーと公共精神を涵養し、シビックプライドと社会的連帯の基盤を築く不可欠な要素ではないでしょうか。
 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 続いては、水資源の持続可能な管理について。
 本市は、皆様御存じのとおり、全国的にも地下水都市として知られ、100%地下水を水道水源とする豊かな自然環境に支えられてきました。この貴重な水資源は、市民生活を支える基盤であると同時に、今後の観光資源としても高いポテンシャルを有しております。しかし近年、TSMCをはじめとする半導体関連企業の進出に伴い、地下水のバランスや水質の保全に関する市民の不安が顕在化しております。
 熊本県と熊本地域11市町村が共同で策定した熊本地域地下水総合保全管理計画に基づく第3期行動計画においても、地域のシンボルである湧水が、より潤いのある水辺環境へと改善されるほどの豊富な地下水がある状態とは言えないとの見解が示されており、涵養目標の見直しと対策強化が不可避であることが明らかとなっています。加えて、熊本は、幾度となく水害や地震などの大規模災害に見舞われてきた歴史を持ちます。令和2年7月豪雨では多くの河川が氾濫し、貴い命と生活基盤が失われました。
 こうした被災の記憶があるからこそ、地下水という貴重な自然資本に対する防災的視点からのマネジメントが、今後の都市政策において極めて重要であると思います。水を守ることは命を守ることと同義であり、次代の子供たちへ安全と潤いを引き継ぐための責任が我々には課せられています。
 そこで伺います。
 まず、本市として現在の地下水の需給状況に関わる水量の状況をどのように評価し、企業進出との両立を図る中で、涵養対策をどのように強化していく方針かをお尋ねいたします。あわせて、今後の地下水涵養指針における事業者への涵養義務の導入など制度的整備の検討状況についても環境局長に御意見を伺います。
 また、半導体産業における化学物質の使用がもたらす水質への影響について、本市は工場排水の成分、濃度をどのように把握し、適切に監視しているのか。そして、今後地下水処理施設の整備を含めた対応方針についても上下水道事業管理者へ御質問させていただきます。
 以上、熊本の水を未来に継承するために質問させていただきます。
         〔村上慎一環境局長 登壇〕

◎村上慎一 環境局長  私からは、地下水の需給状況、涵養対策の強化と制度的整備の検討状況並びに工場排水の成分、濃度の把握、監視について順次お答えいたします。
 まず初めに、地下水の需給状況などにつきましては、本市では良質で豊富な地下水を後世に確実に守り伝えるため、熊本地域地下水総合保全管理計画を踏まえまして、本市独自の施策や目標を定めた第3次熊本市地下水保全プランを策定し、地下水の質や量の保全に取り組んでおります。
 その中でも地下水量につきましては、昨年度から白川・緑川の上流域の西原村における水源涵養林の整備面積拡大や本市の重要な涵養域である大津町、菊陽町等の白川中流域における水田湛水の面積拡大に取り組んだ結果といたしまして、水田湛水事業による涵養量実績は過去最大の1,732万立方メートルとなり、プランの目標を達成したところでございます。
 また、近年の半導体関連企業等の進出に伴いまして、地下水量への影響が懸念される中、県は地下水の収支バランスを保つため、令和5年度に地下水涵養指針を改正いたしまして、熊本地域における事業者などの新たな地下水の許可採取者に対し、採取量に見合う量の涵養を義務づけるなど、地域全体での強化が図られているところでございます。
 次に、工場排水の成分、濃度の把握、監視につきましては、JASM第1工場の排水は全量下水道に排出されておりまして、熊本北部浄化センターで処理された後、坪井川に排水されます。このため、本市では水質汚濁防止法に基づきまして、当浄化センターの放流水や放流先の坪井川におきまして、検査項目や頻度を拡充した水質の監視を行うとともに、県と連携いたしまして、法令等の規制外の金属類やPFASなど1万種類以上の化学物質の調査を行っているところでございます。
 今後も、県や熊本地域の市町村と連携いたしまして、地下水保全対策を継続いたしますとともに、地下水位や水道等の情報を分かりやすく発信していくことで、市民の皆様の不安払拭に努めてまいります。
         〔三島健一上下水道事業管理者 登壇〕

◎三島健一 上下水道事業管理者  私からは、下水処理施設の整備を含む対応方針についてお答えいたします。
 本市では、令和6年度に策定いたしました熊本市公共下水道事業計画におきまして、令和13年度までの7年間における下水道の処理区域や整備内容とともに、浄化センターなどの施設の処理能力等の基本的な事項を定めております。
 このような中、本市の下水道処理区域内に半導体関連企業が立地する場合、工場排水を公共下水道に接続するためには、排水量などの受入条件がありますことから、事業計画などを基に事業者と協議の上、個別に判断することとなります。
 具体的には、工場からの排水量が浄化センターなどの処理能力の範囲内であれば、公共下水道への接続が可能でございます。一方、浄化センターなどの処理能力を超える排水量となることが見込まれる場合は、公共下水道での受入れが困難でありますことから、合併処理浄化槽などの汚水処理施設を設置していただくこととなります。
         〔4番 瀬尾誠一議員 登壇〕

◆瀬尾誠一 議員  先日、筑紫議員が本市における水資源の在り方について述べられましたので、重複は避けますが、こうした多面的な地下水の活用と保全を高度に両立させる必要性が高まっていると言えましょう。そして、水資源の持続可能な管理については、近年、激甚化している自然災害、インフラ施設の老朽化、働き手の減少など課題は多岐にわたります。
 その打開策として、国土交通省の推奨している水DXの導入を提案いたします。例えば、静岡県三島市では地元のケーブルテレビ事業者と連携し、河川の水位データをAIで予測、可視化するシステムを構築し、地域の防災力向上と観光振興に資する好事例を創出しています。
 このような先進的な取組を本市においても横展開し、地下水の涵養状況や水質変化のリアルタイム監視、異常兆候の早期発見、市民への情報提供を可能にする体制を整えることも必要かと思います。
 水資源は地域社会の基盤的インフラであり、その保全は単なる環境課題にとどまらず、経済、防災、公衆衛生を含む包括的な公共政策の核となることをなし得ます。将来世代の生存権や地域のレジリエンス確保の観点からも、さらなる長期的視野に立った資源管理をお願いするとともに、私自身も引き続き熊本市民として水資源を守る取組を行ってまいりたいと思います。
 それでは、次の質問に移ります。
 SNSの活用について。
 デジタル広報を取り巻く環境は急速に変化しており、自治体にとって伝えるだけでなく、伝わる、共感される広報戦略の構築が急務となっています。特に若年層においては、テレビや新聞などの伝統的メディアが敬遠される傾向にあり、SNSを中心とした情報接触が主流となる中で、行政が情報を届ける手段そのものの再構築が求められています。
 このような状況下、全国の先進自治体ではSNS企業との連携による広報の革新が進んでいます。例えば、広島県浪江町ではTikTokと連携し、震災からの復興や地域の魅力を短縮動画で発信、若年層との心理的距離を縮め、関係人口の拡大につながっています。
 また、神戸市ではMeta社と連携し、バーチャル空間で市民と行政が対話するメタバース職員室を実施、広報を単なる告知にとどめず、参加型コミュニケーションへと昇華させる試みが注目されています。
 さらに、福岡市ではインスタグラムを活用し、職員が中の人として登場することで行政の透明性や親近感を高めると同時に、日々の発信におけるリーチ力を飛躍的に向上させています。加えて、新潟県加茂市ではユーチューブを使った職員による手作り広報動画が地元住民から高評価を受け、行政情報の見える化に成功しています。
 これらの先進事例に共通するのは、媒体の多様化そのものではなく、誰に何をどのように伝えるのかという情報設計の論理を内在化させた上で、SNSというツールを市民との共創、共感の場として活用している点です。つまり、SNSは単なる情報の伝達手段ではなく、自治体の価値を住民と共有し、行動を喚起するための社会的接点と捉える視点が重要だと考えます。これは単なる広報の領域を超え、行政と市民の信頼関係そのものを再構築する営みでもあります。
 本市でもLINEやユーチューブ、広報紙のデジタル化など様々な取組が行われており、一定の成果を上げていることは承知しています。しかしながら、先般、令和6年第4回定例会において山中議員も触れましたように、高校生との意見交換会の場において、既に実施されていた施策が提案者に認知されていなかったという事例などは、広報の本質的な課題を示唆するものではないでしょうか。すなわち発信していることと届いていることの間にある構造的なギャップ、ここに問題があるとも言えます。
 そこで、政策局長へお尋ねいたします。
 本市として、若年層を中心とした新たな受信層への訴求力を高めるためにSNS企業との戦略的連携を通じて、広報の質的転換を図るべきではないでしょうか。また、他都市のように、民間の専門知見や地域の若者世代を企画段階から巻き込む仕組みの導入について、今後の方針と展望をお示しください。加えて、本市が持つ自然や文化、震災からの復興といった固有の資源を、単なる情報ではなく物語として伝えていく構想力と表現力もまた、これからの自治体広報に必要不可欠なものではないかと考えますが、いかがでしょうか。
         〔木櫛謙治政策局長 登壇〕

◎木櫛謙治 政策局長  SNSを活用した広報等に関する御質問にお答えいたします。
 本市のSNSアカウントにつきましては、既に専門業者に運用を委託しているものもございますが、市職員が運用しているものにつきましても、現在SNS全般に知見のある外部人材と連携し、運用改善に取り組んでおります。
 具体的には、公式LINEについて、より伝わりやすいものにするため、メッセージテンプレートの作成や職員研修などを行っております。また、プレスリリース配信サービスを提供する民間事業者とも協定を結び、職員向け広報セミナーを開催していただくなど、市政情報の発信力強化に努めております。特に、若者世代の意見を取り入れ、訴求力のある情報発信を行うため、LINEアンケート等によるニーズの把握や副業人材を活用した情報発信後の効果分析等を行う予定としております。
 また、市政情報の発信に当たりましては、単なる事実だけではなく、その背景や物語を発信することは大変効果的であると考えております。
 そこで、例えば熊本地震から10年の節目に当たる来年度は、熊本地震の経験を通じてアップデートしてきた地域力、防災力の強化やこれまでの支援に対する感謝など、本市の歩みと未来へ向けたメッセージを、市民をはじめ全国の皆様に積極的に発信してまいりたいと考えております。
         〔4番 瀬尾誠一議員 登壇〕

◆瀬尾誠一 議員  現代の高度情報化社会において、政治的意思決定や行政施策の正確な理解と周知徹底には、SNSの戦略的活用が不可欠であると思います。特に、若年層を中心に情報取得の手段が多様化、即時化する中、従来型の広報媒体のみでは情報伝達の限界が露呈しているのも事実。さらなる取組の強化につなげていただきたいと思います。
 続いて、最後の質問に移ります。
 スポーツの力で創るまちづくりについてお伺いします。
 経済委員会の委員として、一昨年は沖縄県の沖縄アリーナ、昨年は北海道のエスコンフィールドを行政視察にて訪れ、現地の状況と施設建設に至るまでのいきさつも先輩議員や同僚議員、執行部の皆様とつぶさに調査してまいりました。個人的にも佐賀県の佐賀アリーナ、神奈川県の横浜アリーナを訪れ、スポーツによる他県の先進的な取組を拝見し、熊本におけるスポーツの今後の在り方が全国的にも遅れていることを改めて痛感しました。
 今までも会派の垣根を超え、多数の先輩議員の方々が本議会でスポーツ施設の整備について議論されてきました。昨年の第4回定例会では古川議員が、先日は北川議員もスポーツの施設整備の方針について質問されたので、十分こちらの方は伝わっていると思っております。
 そこと重複は避けまして、私は本市のスポーツチーム及びスポーツコミッションの連携についてお尋ねしたいと思います。
 皆様は、くまもとスポーツユナイテッドという組織は御存じでしょうか。熊本には多様な競技で地域に根ざしたあまたのスポーツチームが存在しておりますが、その多くは知名度や財源の面で課題を抱えており、地域に根ざしながらも十分な活動ができていない現状がございます。
 そうした背景から、熊本拠点のチームが一丸となり、熊本のスポーツを活性化させ、地域全体を盛り上げていこうという趣旨の下、チームの横連携を強化することを目的とした組織として、官民連携による取組を進めています。
 私も所属する一般社団法人熊本青年会議所が発起人となり、2022年に発足、現在はビーチサッカーのアヴェルダージ熊本BS、アメリカンフットボールの九州熊本マーベリックス、男子バレーボールの熊本ヴィレックス、バスケットボールの熊本ヴォルターズ、ハンドボールの熊本ビューストピンディーズ、野球の火の国サラマンダーズ、女子バレーボールのフォレストリーヴズ熊本、サッカーのロアッソ熊本の計8チームが参画しています。
 先月、5月31日には木村熊本県知事や一般社団法人SVリーグ代表理事大河正明氏をゲストとしてお招きし、熊本青年会議所主催で嘉島町民会館にてシンポジウムを開催し、熊本のスポーツの未来について大いに語り合い、盛り上がりを見せました。約500名近くの参加者の皆様からもたくさんの質疑をいただき、大変有意義なシンポジウムとなりました。その中で、くまもとスポーツユナイテッド所属8チームによるゼロカーボン推進宣言も行われ、スポーツを通じた持続可能な地域づくりの基盤が整いつつあります。
 といったように、近年の地域におけるスポーツの多面的な価値が再認識されている中、市内各地で設立されているスポーツコミッションの存在は、地域振興や住民福祉の向上に資する重要な基盤であることが示されていると言っても過言ではないかと思います。しかしながら、現状においては各団体の活動に温度差が見られ、十分な情報共有や相互連携が図られているとは言い難く、全市的な戦略的展開にはいまだ課題が残されています。
 熊本のスポーツを取り巻く現場では、老朽化した施設の更新というインフラ面の課題に加え、部活動の地域移行に伴う受皿の整備、子供の基礎体力の低下、高齢者の健康寿命の延伸といったライフステージを通じた包括的な対応が求められています。スポーツは単なる競技の枠を超え、教育、福祉、医療、地域経済などの広域な分野と密接に関係し得る社会的資本であり、その活用に当たっては行政の統合的なマネジメントが不可欠であり、他県の先進的な取組に目を向ければ、その有効性は一層明白です。
 例えば、先日視察に訪れました川崎市では、Jリーグクラブ川崎フロンターレとの連携を軸に、地域に根ざした多角的な活動が展開されています。市内小中学校のコーチ派遣や地域イベントへの選手の参加、生涯スポーツ推進のためのプログラム実施などを通じて、住民の地域への帰属意識とスポーツへの親和性を高め、都市のイメージ向上にも寄与していました。
 また、先日北川議員も述べられました広島県地域スポーツアクティベーション課が展開するスポーツアクティベーションひろしまでは、令和5年度に約3,000万円の予算を執行し、「もっと笑顔にひろしまを。スポーツの力で!」というビジョンの下、わがまちスポーツ推進など住民参加型のコンテンツを精力的に創出しています。これにより、単なる観戦型から情報共有と共感を通じた参画型スポーツ文化の醸成が図られています。
 スポーツは、教育という枠組にとどまらず、地域社会の経済基盤、福祉施策、教育環境、さらには都市のブランド価値にまで影響を及ぼす総合的かつ活用可能な強力な社会資本であります。
 るる述べましたが、スポーツイベントや地域整備は交流人口の増加や観光振興を促進し、地域経済の波及効果を生む一方で、高齢者の健康維持や青少年の非行防止といった社会的課題の解決にも寄与します。
 つきましては、現時点における市内各地のプロスポーツチームの活動実態をどのように把握しておられるのか。また、それらの団体間での連携体制はどの程度確立されているのか、中長期的な今後の計画や方針について市長へお尋ねします。
         〔大西一史市長 登壇〕

◎大西一史 市長  本市を拠点といたしますプロスポーツチームとは、シーズン開幕前及びシーズン終了後に直接面会をする機会を設け、その際、監督や選手の方々と意見交換を行い、活動状況等を把握しております。
 また、私自身も試合会場に足を運びまして、全力でプレーする選手とそれを応援していただくファンの皆様との一体感を肌で感じ、スポーツの価値や魅力を実感しております。
 本市と各チームとの連携につきましては、各種スポーツ教室をはじめ、高齢者を対象とした健康プログラム、水道事業100周年を記念した広報展開、ゼロカーボン推進宣言など、様々な分野で御協力いただいております。
 今後も、昨年度策定した第3次熊本市生涯スポーツマスタープランに基づき、プロスポーツチームと連携した取組を進め、本市のスポーツ振興はもとより、市内外の交流人口の増加など地域経済の活性化にも取り組んでまいります。
         〔4番 瀬尾誠一議員 登壇〕

◆瀬尾誠一 議員  先日、佐賀市を訪問し、SAGAスポーツピラミッド構想について現地視察を行いました。
 SAGAスポーツピラミッド構想は、2018年度からスタートし、する、観る、支える、育てる、稼ぐという5つの視点から、トップアスリート育成とスポーツ分野の裾野拡大を通じて人づくり、地域づくりを好循環させる日本でも先進的な取組でございました。本年3月には、恒久的推進を目指す条例も策定されているようです。
 さらには、国内外トップの指導者招聘によるジュニア競技者育成、女性アスリート専門外来や寮の整備など、多角的環境整備が進み、企業との雇用連携も成果を上げています。
 本市においても、地域支援企業と協定によるアスリート就職支援、女性、ジュニア育成の専門相談体制や拠点整備、プロチームを核としたスポーツ観戦、交流促進イベント、自立型スポーツビジネス創出を推進すべきであると思います。今こそ熊本は、スポーツを核とした地方創生の旗手となり、スポーツを地域社会の軸と捉え、その存在力を最大化するため、市政としての条例の制定や予算の確保、市民、企業、教育機関といった産官学民連携による実行組織の立ち上げを強く求めます。
 北海道北広島市のエスコンフィールドでは、メジャーリーグで絶賛活躍中であるダルビッシュ選手や大谷選手の移籍による影響が大きく、沖縄県沖縄市の沖縄アリーナは防衛省の国の補助があったことなど、参考にならない事例であるのを承知しておりますが、PPPやPFI、冒頭でも申しましたふるさと納税など、全国各地での事例もありますので、政令市でもある本市はリーダーシップを発揮し、県との連携をさらに強化し、スポーツ施設整備も並行して情熱を持って取り組んでいただき、スポーツの価値を最大限生かす戦略にしていただくことを強く求めまして、今回、私が用意しました質問は以上となります。
 お忙しい中、傍聴席においでくださった皆様やインターネット中継にて御視聴いただきました皆様、誠にありがとうございます。これからも議員として、また今後も国家観を持って活動してまいります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

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