| 自治体 | 名古屋市 |
| 議会・日程 | 令和7年11月定例会本会議 11月21日 |
| 出典URL | https://ssp.kaigiroku.net/tenant/nagoya/SpMinuteView.html? council_id=660&schedule_id=3&minute_id=62&is_search=true |
キーワード
在留外国人、生活保護、資産調査、制度的な課題、在留資格
要約
名古屋市議会にて、議員より外国人への生活保護支給が長年見直されていない現状への懸念が示されました。議員は、本件が法的な義務を負わない自治事務であるにもかかわらず、巨額の税金が投入されており、領事館への照会等の本来の手続きも未実施であると指摘しました。これに対し市側は、手続きの欠落を認め今後の適正化を約束し、市長は制度的課題として国へ伝えていくと回答しました。議員は制度の透明性確保と見直しを強く求めました。
引用全文
※以下は議事録の引用全文です。本文の著作権は名古屋市に帰属します。著作権法上の引用および公共データ利用規約に基づき掲載しています。要約はAIにより生成したものであり、正確な内容は出典元の議事録をご確認ください。
◆(大島英勲君) お許しをいただきましたので、通告に従い、質問いたします。
本市における外国人に対する生活保護についてお尋ねいたします。
まず冒頭、今回の質問は、日本に暮らす外国人の方々への差別や分断をあおる意図は一切ありません。一方で、70年間にわたり、暫定的な措置として、見直しをされることなく続けられてきた制度の法的な問題点と、本市の厳しい財政状況下における社会保障制度の持続可能性を、客観的な事実に基づき問うことを趣旨としています。そのことを明確に申し上げた上で、質問させていただきます。
外国人との共生がうたわれて久しい昨今、日本に在留する外国人の数は着実に増加しております。本市においても、20年前の平成16年には約5万8000人であった在留外国人数は、令和6年度には約10万人と、およそ1.7倍に増えており、第3次名古屋市多文化共生推進プランでは、国籍や民族の異なる人々が、互いを認め合い、共に幸せに生きていくことができる多文化共生社会の構築が基本目標に掲げられています。
私自身、身近に多くの外国籍の知人友人がおり、自らの意思で、日本で安定した生活を送ることを望む方々と調和し、共に生きていくことは大切なことであると考えております。
ただし、その上では、行政の外国人に関わる事業についての適切な情報公開と、それに基づく市民理解が欠かせないものと考えます。
さて、本題の生活保護に話を移します。
生活保護法によれば、生活保護とは、憲法第25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮する全ての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とすると定められています。資産や能力、他の社会保障制度による給付を活用してもなお、生活に困窮する場合の重要なセーフティーネット、ある種の最後のとりでとして極めて大切な役割を果たしている制度であると理解をしています。
本市においては、令和6年度、およそ3万9000世帯、847億円が扶助費として支給されています。
御存じの方も多いと思いますが、生活保護法がいうところの国民とは、日本国民を指しています。平成26年の最高裁判決においても、現行の生活保護法は、適用の対象につき国民と定めたものであり、その国民とは日本国民を意味するものであって、外国人はこれに含まれないものと解されるとして、外国人が法の適用対象とはならない旨が明確に示されています。
一方で、戦後の混迷期、様々な事情から生活に困窮する外国人の方々への人道上の措置として、昭和29年に当時の厚生省社会局長による「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」という通知が発出され、当分の間、生活に困窮する外国人に対しては、日本国民に対する生活保護の決定実施の取扱いに準じて保護を行うこととされており、この通知を根拠に、今日に至るまで外国人の方に対する生活保護が支給されています。
本市における外国人被保護世帯は、平成16年に882世帯、試算によれば約21億円の扶助費であったのが、令和6年度には2,228世帯、約48億円の扶助費と倍以上に増えている状況であり、被保護世帯全体の増加率を大幅に上回っている状況です。
さらに、生活保護受給者の方が国民年金保険料や上下水道料金などの減免措置を受けられることを考慮すると、本市では年間およそ50億円、外国人の生活保護に関わる支出を行っている状況で、決して小さくない、インパクトの大きい金額であると考えます。
なお、本市の被保護世帯全体に占める外国人世帯の割合は約5.7%、これは全国平均のおよそ2倍になっており、他都市と比較しても、本市は外国人生活保護の財政負担割合が大きい自治体であると言えます。また、さきに御説明した本市の在留外国人数の増加ペースよりも、外国人被保護世帯の増加割合のほうが大きくなっているのが実情です。
誤解なきよう申し上げますが、私は人道上の観点からの措置について、その一切をなくすべきと申し上げたいものではありません。日本に暮らす意思を持ち、事情により窮迫の状態に陥ってしまった方への支援は、適切に行われる必要があると考えています。
しかし、一方で、本来法が想定する対象が日本国民であって、あくまでも自国民の保護を目的とした法であるという点は、国の指針を受けて事務を執行する本市としても、十分に踏まえて執り行われるべきであり、この70年の間に、多くの矛盾と課題を抱える制度になってしまっている現実とは、真摯に向き合うべきだと考えます。
例えば、在留資格との兼ね合いから考えれば、外国人の方が生活保護を受給するには、永住者、定住者等の在留資格を有することが要件になっています。出入国在留管理庁が定める永住許可に関するガイドラインによれば、永住許可に当たっての法律上の要件には、独立の生計を営むに足りる資産または技能を有することが定められており、日常生活において公共の負担にならず、その有する資産から見て将来において安定した生活が見込まれることと明記されています。また、定住資格の審査基準を示すガイドラインにも、それに準ずる項目が設置されています。つまり、本来日本に永住・定住をする外国人の方には、自立した生活が可能な、一定以上の経済状況にあることが、ある種の前提として求められているのです。
しかし、本市の状況に目を向けると、外国人被保護世帯のうち、5年以上にわたって生活保護を受給する外国人世帯の割合は実に6割に上っています。
また、30年以上生活保護を受給する日本人世帯の割合が1%未満であるのに対し、外国人世帯は1.6%と倍近くなっており、先ほどの永住・定住に係るガイドラインに照らしても、矛盾を感じざるを得ない状況です。
また、外交においては、外国人に権利を付与する場合、その外国人の本国が自国民に同等の権利を与えることを条件とする、いわゆる相互主義が原則とされています。現在、本市が生活保護を支給している外国人のうち9割以上を占める、韓国・朝鮮、フィリピン、中国・台湾、ブラジルにおいて、日本と同様に明確な法的根拠を持たないまま、生活に困窮した日本人が保護をしてもらえるという制度は、私が調査をする限り見当たらず、この相互主義の観点からも、現在の我が国の生活保護は、極めて不均衡な制度になっているものと考えられます。
我が国は現在、失われた30年と言われており、先進国の中でも例を見ないほど経済が停滞しています。賃金が上がらず、物価高で、社会保障の負担も大きく、そのような状況下で多くの国民が苦しむ中で、法的に根拠のない負担を、合意を得ることなく、漫然と市民に強いていることは、果たして妥当なのでしょうか。70年もの時を経て、今、本市として考えるべきことは本当にないのでしょうか。
以上、述べた観点を踏まえ、健康福祉局長に3点のお尋ねをいたします。
まず、外国人に対する生活保護支給の法的な位置づけについてお尋ねします。
日本人に対する生活保護の決定実施については、法令に基づき、国や県に代わって本市が処理する、いわゆる法定受託事務に該当するものですが、昭和29年の厚生省通知に基づき実施される外国人に対する生活保護の決定実施は、この法定受託事務に該当しないもの、本市が法的な義務を負うものではないものと認識をしておりますが、御所見を伺います。
次に、昭和29年の厚生省通知には、保護の実施機関より報告を受けた都道府県知事は、当該要保護者が、その属する国の代表部もしくは領事館等から必要な保護または援護を受けることができないことを確認し、その結果を保護の実施機関に通知することと規定されています。そして、この確認手続については、厚労省が別の事務連絡で、生存権保障の責任が第一義的にはその者の属する国家が負うべきであるところ、その可否を確認するものと説明しています。すなわち、日本に在留する外国人の生存権保護の責任は、まず、その方の本国が負うべきであり、生活保護の申請があった場合には、その国の領事館等に保護の可否を照会することがルールとして明文化されているのです。
このことを踏まえ、本市では制度開始以降、外国人の方から生活保護申請があったうち、これまで何件について領事館等にこの確認手続を実施し、何件の回答を得ているのでしょうか。厚生省通知に基づく本市の対応状況についてお示しください。
最後に、直近における本市の生活保護申請に対する却下・取下げの状況を見ると、令和7年度上期において、日本人が生活保護を申請した際の却下・取下げになる割合は12.1%。つまり、10人に1人以上の割合で、生活保護の申請をしても却下または取下げになっているのに対し、外国人申請者の却下・取下げになる割合は5.5%、20人に1人の割合にとどまっています。
生活保護の決定実施に当たっては、資産調査、つまり預貯金や不動産など、売却や活用できる資産がないか、生活保護法を根拠に、幅広く調査が行われます。
しかし、例えば生活保護を申請した外国人の方が、本国の銀行口座に莫大な資産を保有している場合であっても、海外にある資産には法的な調査の権限が及ばないことから、資産調査そのものに限界があるものと承知をしています。
そのため、日本国民に対する生活保護の決定実施の取扱いに準じて行われるはずの外国人に対する生活保護の決定実施は、結果として、日本人よりも調査手段が制限された中で行われることになり、本来法が予定する保護の対象は日本国民であるにもかかわらず、日本人と外国人の間に制度的な格差が生じているのが実態です。この点について、健康福祉局長の課題認識をお伺いいたしまして、私の第1回目の質問を終わります。(拍手)◎健康福祉局長(山田隆行君) 健康福祉局に、外国人に対する生活保護について、数点のお尋ねをいただきました。
まず、生活保護の決定実施等についての見解についてでございます。
令和7年3月14日の参議院予算委員会における厚生労働大臣の答弁によりますれば、生活に困窮する外国人につきましては、人道上の観点から、日本人と同様に国内で制限なく活動できる永住者、定住者等の一定の在留資格を有する方について、行政措置としての生活保護の取扱いに準じた保護を行うこととされておりまして、したがいまして、法定受託事務ではございません。
次に、領事館等への確認を実施した件数についてでございます。
御指摘の取扱いにつきましては、本市から愛知県へ報告を行った事実は確認できませんでした。これは、当該取扱いにつきましての認識が本市において欠如していたことが原因であり、今後適切に愛知県へ報告をしてまいります。
次に、生活保護の決定実施に当たっての資産等の調査についてでございます。
保護の決定実施に必要な資産調査として、適法な在留資格を有する外国人から保護申請があった場合、日本人と同様の調査を実施し適正な保護に努めております。
そもそも、決定実施に当たり、国外の金融機関への調査が困難な場合があることは、課題であるとは認識をしております。
以上でございます。◆(大島英勲君) 御答弁ありがとうございました。
いただいた答弁から、外国人に対する生活保護は、本市が法的に義務づけられた法定受託事務には該当せず、本市が自主的に処理を行う自治事務の位置づけであることが明確になりました。
また、外国人への保護支給の根拠である昭和29年厚生省通知が求める領事館等への確認手続については、この70年間、対応されてこなかったという事実も明らかになりました。
通知を根拠に行う生活保護であるにもかかわらず、その通知が定めるルールをおろそかにするという姿勢は、市民の皆様からお預かりした税金によって賄われているものであるという意識が、あまりにも欠けていたのではないかと思わざるを得ません。本市の外国人生活保護に対する曖昧な実態の一端が見える答弁であったと考えます。
改めて、外国人に対する生活保護は、法の根拠を持たない、不安定な制度です。にもかかわらず、市民の皆様には、そのために毎年、税金で大きな負担をお願いしているのだという事実を当局は重く受け止め、今後、適正な、あるべき手続を徹底していただくことを強く要望いたします。
さて、そこで、広沢市長に再質問いたします。市長は、市長選挙で掲げた一丁目一番地の公約である市民税10%減税について、今年10月に財政事情を理由に断念するという非常に重い決断をされました。また、今月14日には、税収増を目的に宿泊税の導入を検討している旨の報道がなされたところです。
このような極めて厳しい本市の財政状況の中で、法的根拠が乏しく、制度的な課題を抱えた外国人に対する生活保護制度が見直しをされることなく続いてきた状況、そして本市では毎年50億円近い予算が投じられている現状には、強い課題意識を持っています。真に差し迫った状態にある外国人の方の救済までも全て排除すべきと申し上げるつもりはありませんが、国自らが生存権保障の責任は、一義的にその者の属する国家が負うべきとしながら、多くの国民、そして名古屋市民が物価高などで苦しむ昨今の状況下で、任意で行う自治事務の扱いであるはずの外国人生活保護について、議論自体をタブー視してしまうことは、市民への説明責任を果たさないことでもあり、大きな矛盾を抱えていると言わざるを得ないのではないでしょうか。
ぜひ市長には、市でできる改善にしっかりと取り組んでいただくと同時に、国に対して現状の課題を訴え、昭和29年通知の見直しを求める声を上げていただきたいと考えますが、現在の外国人への生活保護制度そのものに対する市長の課題認識と、今後の改善、改革に向けたお考えを伺います。◎市長(広沢一郎君) 外国人に対する生活保護につきまして、再度のお尋ねをいただきました。
先ほど、健康福祉局長から御答弁いたしました国の考え方の下、本市としても国の通知に基づき、外国人に対し生活保護を適用しているところでございます。
なお、生活保護の制度的な課題につきましては、本市だけの問題ではなく、全国的な問題でございますので、機会を捉え国へ伝えてまいります。
以上でございます。◆(大島英勲君) 市長、ありがとうございました。
率直に申し上げて、本市の置かれる、今、厳しい財政状況や市長に票を投じた市民の方々の思いを踏まえた、市長御自身の言葉による、熱意ある真摯な答弁を期待しておりましたので、形式的な答弁に終始されてしまったことは、非常に残念に思います。
さはさりながら、今回質問を行うに当たり、様々調査を重ねる中で、これまでの経緯、経過から、本件は独特の難しさ、一朝一夕で変えがたい問題であることは重々理解をしております。
そのような状況の中で、市長からは、制度的な課題は全国的な問題であり、機会を捉え国へ伝えていくという答弁をいただきました。市長は明確には触れられませんでしたが、これまでるる述べてきた外国人生活保護に関する課題が、市長のおっしゃる制度的な課題に内包されないわけがないと思いますので、市長が今後、国に対して物申されていく御様子を、私もしっかりと追いかけてまいりたいと思います。
70年の時を経て、国と地方自治体が漫然と積み重ねてきたものは非常に重たく、この外国人に対する生活保護が議論することすらはばかられるような聖域になってしまうことは、あってはならないと考えます。少なくとも、市民の皆様には、透明性の高い情報公開を行い、認知いただくことが、まずは必要不可欠だと思います。
70年前の当分の間が、70年間も続いている現状を、このまま子や孫の世代に先送りするわけにはまいりません。本日の質疑が、その見直しに向けた第一歩となることを強く願いまして、私からの全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
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