福岡県議会 介護分野における人手不足対応と人材確保策に関する答弁— 2025年2月

自治体福岡県
議会・日程令和7年2月定例会 02月07日
出典URLhttps://www.pref.fukuoka.dbsr.jp/655084?Template=document&Id=3899#all:1

キーワード

人手不足、労働環境・処遇改善、外国人介護人材(技能実習・育成就労・奨学金支援)、働きやすい介護職場認証制度

要約

※下記はAIによる要約です。正確な内容は出典元の議事録をご確認ください。

議員は、全国的な介護職員減少と処遇・環境改善の急務を挙げ、県における介護人材の需要・確保見込みと今後の取組方針について尋ねました。県は、令和8年度に必要な介護職員数に対し約8千人の確保が必要であるとの見込みを示しました。県として「働きやすい介護職場認証制度」の創設や外国人留学生への奨学金支援、処遇改善加算の取得支援、介護DX支援センターによる業務効率化、カスタマーハラスメント対策等を進めてきたと説明。さらに補正予算を活用し、事業者の海外採用活動支援や機器導入助成を強化し、継続して人材確保に取り組むと言明しました。

引用全文

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◯二十一番(宮原 伸一)登壇 皆さん、おはようございます。自民党県議団、太宰府市選出、宮原伸一でございます。
 このたび、大変光栄なことに会派を代表して質問の機会をいただきました。まずもって、日頃より御指導を賜っております藏内相談役、松尾統章会長をはじめ会派の皆様の深い御配慮に心より感謝申し上げます。また、地元後援会の皆様方にも力強く支えていただいておりますことを心より感謝申し上げます。
 そして、代表質問をさせていただきます。
 まず初めに、国の経済対策を活用した補正予算についてただしてまいります。政府は、昨年十一月に日本経済・地方経済の成長、物価高克服、国民の安心・安全の確保の三つの柱で構成された事業規模約三十九兆円の国民の安心・安全と継続的な成長に向けた総合経済対策を閣議決定し、その裏づけとなる補正予算が昨年十二月に成立しました。物価高対策に関して、地方が地域の実情に応じた施策を実現できるよう、重点支援地方交付金が追加されたところです。
 本県においては、昨年十二月県議会における我が会派の代表質問の中で、中尾正幸議員から知事に対し、国の経済対策を受けた本県の対応についてただしてまいりました。これに対し、知事は国の重点支援地方交付金を思い切って活用し、継続する物価高騰で大変厳しい状況にある県民、事業者の負担を軽減するための緊急的な支援に重点を置くと答弁され、総額九十億円の規模の補正予算案を閉会日に追加提案されました。
 物価高の問題については、我が会派へも多くの要望や陳情、また不安の声が届いております。この補正予算は、こうした県民や事業者の方々の切実な声を反映したものとなっており、知事の機動的な対応も含め、大いに評価し、即日可決、成立しました。
 一方、我が国の置かれた状況に目を向けますと、かつてないほどの厳しい国際情勢の中、エネルギー価格や原材料価格など、物価の高騰が続いております。国内では、少子高齢化の急速な進行、人口減少と一極集中に伴う地方の疲弊、この三十年余り続いたデフレからいまだ抜け切れていないなど、様々な課題に直面しています。
 こうした中にあっても、名目GDP六百兆円、設備投資は百兆円をそれぞれ超え、賃金も三十三年ぶりの高い賃上げ率が実現し、前向きな動きも出ております。今後、県民一人一人の実際の賃金、所得の増加という形で手取りが増え、豊かさが実感できる賃金と物価の好循環をさらに進めていかなければなりません。
 知事は、今年の県政のテーマを漢字一文字で「躍」とされたと聞いております。本県の経済は、多くの中小企業や農林水産業者の皆さんに支えられています。本県経済の基盤、基礎を担っている中小企業や農林水産分野における将来への成長、発展に向けた対応を思い切って講じることが本県経済を躍動させ、福岡県をさらなる高みへ飛躍させる鍵となるのではないでしょうか。福岡県の成長と発展、そして県民の安心・安全の確保のため、国の経済対策を最大限活用し、県として思い切った対策を講じるべきと考えます。
 そこで知事に伺います。本議会で提案されている補正予算について、知事はどのような方針で予算を編成されたのか。その予算規模をお示しいただくとともに、具体的な事業を御説明ください。
 次に、これまでの地方創生の取組の総括と今後の成長展開について伺います。政府は、地域の活力を取り戻す地方創生の再起動、新たな地方創生施策を展開するとして、昨年十二月、地方創生二・〇の基本的な考え方を決定しました。国、地方を挙げての地方創生の取組が本格的に始まった起点をまち・ひと・しごと創生法が施行された平成二十六年十二月とすれば、今年は令和七年ですので丸十年が経過したことになります。本県でも、この間様々な取組がなされてきたと思いますが、これまで地方創生にどのように取り組まれてきたのかお答えください。
 政府は、この地方創生十年を振り返り、人口減少や東京圏への一極集中など、大きな流れを変えるに至っておらず、地方が厳しい状況にあることは重く受け止める必要があると総括しています。その上で、人を大事にする地域、楽しく働き、楽しく暮らせる地域をつくる、災害に対して地方を取り残さないよう地方を守ることが基本姿勢として盛り込まれています。
 政府は、先の令和六年度補正予算で、新しい地方経済・生活環境創生交付金を創設し、従来の取組に加え、新しい地方自治体の先進的な防災への取組の支援を打ち出しました。また、現在国会で審議中の新年度政府予算において、大規模な地方創生策を講じるための関係経費を計上するとともに、本年夏に今後十年間で集中的に取り組む地方創生二・〇の基本構想を取りまとめることとしています。
 日本社会を活力あるものへ再生するためには、安心して暮らせる環境と活力ある地域づくりが不可欠です。そして誰一人取り残さない、希望としての地方創生であるべきと考えます。こうした政府の新たな動きを踏まえ、今後どのように地方創生に取り組むか、知事のお考えをお聞かせください。
 次に、福岡空港を活用した本県の成長発展についてお尋ねします。福岡空港は、地下鉄、都市高速道路等のアクセスが整備された極めて利便性の高い空港であり、本県のみならず九州、西日本におけるアジアのゲートウエーとして、地域の成長発展における中心的な役割を果たしています。
 福岡空港の令和五年度の利用状況は、旅客数が約二千四百九十四万人で全国で四位、発着回数は約十八万五千回で全国第三位となり、滑走路一本の空港としては国内では旅客数、発着回数ともに最も多く利用されています。
 このように、地域にとって重要な役割を果たしている福岡空港の将来における航空需要への適切な対応を図るため、国は平成二十七年度から滑走路の増設工事を実施してきました。先月十日には、増設滑走路の供用開始日を本年三月二十日とすることを発表し、今後は残りの工事の完成と合わせ、照明施設の飛行検査、航空法の手続、航空会社等への周知等を経て供用の開始を迎えるとのことです。
 増大する航空需要にしっかりと応えていくため、一日も早い増設滑走路の供用開始を願う地元の思いを国においてしっかりと受け止めていただき、三月二十日の供用開始を決定していただいたことは、我が会派としても大変うれしく思っております。
 この滑走路増設事業と併せて、福岡国際空港株式会社では、国際線地区の整備事業を進めており、国際線ターミナルビルの増設工事では、昨年十二月までにコンコースの延伸、旅客搭乗橋の増設、ラウンジのリニューアル、アクセスホールの新設などが完了し、既に供用が順次開始され、空港内での移動や二次交通への乗り継ぎ環境の改善が図られています。
 その後も国際線ターミナルビルの整備は進められており、三月二十八日に予定されているグランドオープンでは、拡張された保安検査場や出国審査場、約四倍に増床された免税店、福岡・九州の食を楽しめるフードコート等の供用が開始されることとなっており、より便利で快適な空港に生まれ変わると聞いております。
 増設された滑走路とリニューアルされた国際線ターミナルビルの供用開始により、ゲートウエーとして利便性が大きく高まることになる福岡空港は、今後も増大していく、多様化していく空港需要に幅広く応え、本県の成長発展に貢献していくことが大いに期待されております。
 そこで知事にお尋ねします。福岡空港を活用した本県の成長、発展について、知事のお考えをお聞かせください。
 次に、韓国との経済文化交流についてお伺いします。韓国は、本県と地理的に最も近い国であり、インバウンド・アウトバウンドを含め、人の往来、経済、文化等の面で活発な交流が行われており、本県への入国者数は、出入国管理統計によると、コロナ禍後の二〇二三年において、国・地域別のトップとなっており、貿易の面では、門司税関の調査によると、本県から韓国への輸出額は二〇二三年で九千六百四十八億円、中国、アメリカに次ぐ三番目となっております。輸入額は二千二百七十億で、中国、台湾、オーストラリア、アメリカに次ぐ五番目です。また、安川電機や西日本鉄道をはじめ、多くの企業が本県から韓国へ進出しています。
 自治体間の交流に目を転じますと、日韓海峡沿岸地域の福岡県、佐賀県、長崎県、山口県と釜山広域市、全羅南道、慶尚南道、済州特別自治道の八つの自治体で日韓海峡沿岸県市道交流知事会議が毎年開催されているほか、観光、環境などの分野でも交流が行われています。
 また、福岡県議会においても、二〇一二年に慶尚南道と友好交流協定を締結し、定期的に相互訪問を行い、友好交流を深めているところです。さらに、今年開館二十周年を迎える九州国立博物館においても、韓国の国立博物館との間で学術文化交流協定を締結し、文化交流が行われてきました。
 先般、JR九州が高速船クイーンビートルの運航継続を断念し、これまで約三十年間続いてきた日韓航路の廃止を発表されました。ビートル時代を含め、これまで長い間、福岡県民、釜山市民をはじめ、日韓両国の国民に親しまれ、多くの方に利用されてきた路線が廃止されることは誠に残念でなりません。この路線廃止が本県の観光をはじめ、各方面にどのような影響が出てくるのか、今後注視していく必要がありますが、一方で本県と韓国の経済文化交流が後退することがあってはならないと考えます。
 そこで知事に伺います。日韓海峡沿岸県市道交流知事会議をはじめとするこれまで培ってきた交流を踏まえ、今後本県と韓国との経済文化交流をどのように進めていくのか、知事のお考えをお聞かせください。
 次に、介護分野における人手不足問題についてお尋ねいたします。少子高齢化が急速に進行する中、我が国人口に高齢者が占める割合は約三割、高齢者の約六割は七十五歳以上になると予測されています。本県においても高齢化率は上昇し、これに伴い認知症をはじめ、医療や介護を必要とする高齢者がさらに増加することが見込まれています。
 介護サービスの需要が拡大する中、それに対応するための介護人材を安定的に確保することは大変重要ですが、一方で厚生労働省が先日公表した調査結果において、全国の介護職員の人数が介護保険制度創設以来初めて減少に転じたことが明らかになるなど、介護分野における人手不足の深刻化が続いています。
 介護職員の不足については、まず最大の課題は給与水準の低さだと考えます。令和五年度賃金構造基本統計調査によると、全産業平均の賞与込み給与は三十六万九千円ですが、介護職員は三十万と六万九千円の差があります。他産業への人材流出を防ぐためにも処遇改善が急務です。
 また、現場を支える介護職員の離職を防止し、定着を図るためには労働環境の改善も不可欠です。さらに国内人材が不足する中、介護分野においては技能実習や特定技能などの外国人により一定の人手不足解消が期待されています。技能実習に代わる育成就労制度が令和九年度にも始まります。介護施設によっては、外国人材受入れのため、寮を整備するケースもあるとお聞きします。安心して働ける環境を整えつつ、外国人材の活躍を支援していくことも重要です。
 二〇二五年を迎えた現在、介護業界は大きな転換期を迎えています。超高齢社会において、高齢者の生活を支える介護サービスを維持するために介護現場の人材確保は喫緊の課題であります。
 そこで知事にお尋ねします。今議会に、直面する人手不足対応として、職員の勤務環境改善や外国人介護人材の確保などを支援するための補正予算が提案されていますが、こうした施策立案の前提となる本県の介護人材の需要見込み及び必要な確保数はどうなっているのでしょうか。また、県は介護人材確保について、これまでどのような取組を行い、今後どのような取組を行っていくのかお答えください。

 次に、福岡県こども計画について伺います。子供は本県の未来を担う宝であり、子供たちが元気で健やかに育ち、様々なことに挑戦していくことができる環境をしっかり整備すること、また子供を安心して産み育てることのできる地域社会を実現することが子供自身の成長にとって、そして本県の将来の産業・経済・文化の発展の基礎づくりや地域社会の持続のために重要であります。
 一方で、本県の子供を取り巻く課題は山積しており、まず少子化については、令和五年、本県の出生数が過去最低の三万三千九百四十二人となるなど、その進行に歯止めがかかっておりません。また、子供食堂、放課後児童クラブや幼児教育・保育への支援の充実、本県の未来を担う人材の育成など、子供の健やかな成長に向けた取組の重要性はますます高まるとともに、いじめ、子供の貧困、ヤングケアラーなど、極めて細かな支援を必要とする子供への一層の取組も求められています。
 このような中、我が会派は令和四年十二月議会の代表質問で知事に対し、子供政策全体を俯瞰的、部局横断的に推進できるよう、組織の改編を検討すべきではないかとただしました。これを受け、知事は令和五年度に福祉労働部にこども未来課を新設し、こども福祉課、子育て支援課の三課体制とする組織体制の強化を行われました。
 また、令和五年二月六日に自民党福岡県議団と自民党福岡県支部連合会が連名で行った誰もが住み慣れたところで長く働くといった令和五年度予算に関する要望について、知事は真摯に受け止められ、同じく五年度に異例とも言える百億円の基金の積み増しを行い、新たに百二十一億円の出産・子育て安心基金を設立され、現在この基金を活用し、病児保育利用料の無償化、先進医療による不妊治療の助成、産後ケア事業の利用者負担の軽減に取り組まれているところです。
 こうした状況の下、今回、知事は医療、介護、福祉、労働、教育等の幅広い分野にまたがる子供施策を総合的に推進するために、関連する子供関係の複数の計画を一本化し、令和七年十一月から五年間を計画期間とする福岡県こども計画を本議会に提案されたところです。
 そこで知事に伺います。子供を取り巻く様々な課題に対応するため、福岡県こども計画において、どのような考え方で子供施策を推進していこうとされているのかお示しください。
 次に、スタートアップ支援についてお尋ねします。先月十七日、西日本鉄道株式会社が再開発中の大型複合ビル、ワン・フクオカ・ビルディング、通称ワンビルの完成記念式典を開催されました。ワンビルは天神の中心に位置し、多くの人が行き交い、人が集まる絶好のロケーションにあります。そして、このビルの七階フロアに世界的なスタートアップ支援機関である米国CIC(ケンブリッジ・イノベーション・センター)が東京に次いでアジアで二か所目となる拠点、CIC福岡を開設します。
 CICは、アメリカ・マサチューセッツ州ボストンを本拠地とし、世界五か国で九つの拠点を構えるスタートアップ支援機関であり、創業以来世界中で一万社を超える企業がCICの拠点に入居し、それらの企業が投資家などから調達した金額は約百七十億ドルに上ります。革新的なアイデアや技術により社会に変革をもたらす新しいビジネスを創出するスタートアップが成長するためには、まさにこの上ない環境が整ってきています。
 本県においても、かねてより支援していた宇宙スタートアップである株式会社QPS研究所が一昨年十二月、東京グロース市場に上場しましたが、今後本県がさらなる発展を遂げるためには、このような優れたスタートアップを数多く創出し、成長させていくことが不可欠ではないでしょうか。CIC福岡が本県に開設されることは好機と捉え、これまで以上にイノベーションを生み出すスタートアップの支援に力を入れていくべきではないかと考えます。こうした中、今議会に提案されている令和七年度暫定予算に、CIC福岡内に県として初めてのスタートアップ支援拠点、グローバルコネクト福岡を開設するための費用が計上されています。
 そこで知事にお伺いします。グローバルコネクト福岡を核に世界と幅広いネットワークを有するCICの強みを生かし、今後県内のスタートアップ支援にどのように取り組んでいくのか、知事の意気込みをお答えください。
 次に、福岡県道路啓開計画の見直しについて伺います。今年は阪神・淡路大震災から三十年、福岡西方沖地震から二十年の節目の年に当たります。平成十七年三月二十日に発生した警固断層を震源とする福岡県西方沖地震は、最大震度六弱を観測し、福岡市を中心に死者一名、重傷者百九十七名、住家の全壊が百四十三棟などの大きな被害をもたらしました。西方沖地震以降、東日本大震災、平成二十八年熊本地震、令和六年能登半島地震などが発生し、さらに先月十三日には日向灘を震源とする最大震度五弱を観測した地震が発生しました。
 このような状況下において、先日、政府の地震調査委員会は、南海トラフ地震の今後三十年以内に発生する確率をこれまでの七〇%から八〇%程度に引き上げました。我が国は世界の大規模な地震の約二割が発生する地震大国であり、福岡県においても大規模な地震がいつ発生してもおかしくありません。県の地震に関する防災アセスメント調査では、今後警固断層を震源とする最大震度七規模の地震が起きる可能性が指摘されています。
 令和六年能登半島地震では、土砂崩壊や津波浸水により幹線道路から生活道路に至るまで大規模に被災したことに加え、半島という地形的制約から道路ネットワークが限られていたため、人命救助や緊急物資の輸送など、初動対応が非常に困難な状況にあったと聞いています。
 また、本県においても平成二十九年七月九州北部豪雨では、土砂崩壊や河川沿いの道路が流出したことに加え、被災地が中山間地域に位置し、被災地への道路が限られていたため初動対応が困難であり、このため最低限の瓦礫の除去や段差の修正などを行い、緊急車両の通行を可能とする道路啓開が非常に重要でありました。
 昨年六月議会の一般質問において、我が会派の林泰輔議員が、現在の道路啓開計画の策定から七年が経過し、社会環境も変化していることから計画の見直しを検討すべきとただしたところ、知事からは、現計画を検証し見直すこととしていると回答されました。
 そこで知事にお伺いします。現計画の現在の見直し状況をお答えください。あわせて、見直し後の計画はどのようなものになっているのか、そのポイントについてお答えください。
 次に、県が管理する下水道管路の老朽化への取組と今後の対応についてお尋ねします。我が会派では、さきの令和六年十二月議会において、昨年一月に発生した能登半島地震によって上下水道施設が大規模に被災し、その一体的な耐震化の重要性が確認されたことを受け、本県の上下水道施設の耐震化の方針についてただしました。知事からは、本県の上下水道施設の耐震化を促進するため、市町村等の事業者と連携しながら、これまでの倍のペースで耐震化を進めることを目指すこと、また上下水道事業者が一体となって早期復旧を図るための体制を検討すること等前向きな御答弁をいただきました。
 このような中、先月二十八日に埼玉県八潮市で、下水道管路の破損に起因すると思われる陥没事故が発生しました。この事故で道路にできた穴に走行中のトラックが転落し、運転されていた男性が安否不明となっております。今回の陥没事故を受け、下水道の耐震化はもとより、老朽化対策の重要性についても改めて認識されたところです。
 報道によると、今回の陥没事故は下水道管が腐食し破損し、そこから土砂が下水道管に流れ込み、地下に空洞ができたことで発生したと考えられるため、国土交通省は七都府県に対し、下水道管路の緊急点検を実施、その結果を報告するよう要請しております。
 そこでお尋ねします。県が管理している下水道管路の老朽化について、これまでどのような取組をされてきたのか、知事にお尋ねします。また、今後の対応についても併せてお答えください。
 次に、花による美しいまちづくりについてお尋ねします。昨年五月、知事は香原議長や主要会派代表と共にロンドンを訪問された際、国際ガーデニングショーの最高峰でもある英国チェルシーフラワーショーを訪問されました。
 そのことを踏まえ、昨年六月議会の我が会派の代表質問に立った松尾統章県議団会長から、花を活用したまちづくりやその効果についてただしたところ、知事は人々が花に触れる機会を増やし、花への関心を高めることにより花による美しいまちづくりへの機運の醸成を図り、県全体が花でいっぱいになるような、そういう美しいまちづくりを目指してまいると答弁されました。
 先月、県は我が会派の藏内相談役、松尾会長や香原議長をはじめ、主要会派の代表者の立会いの下、チェルシーフラワーショーで高い評価を受けている本県にゆかりのある世界的な庭園デザイナー石原和幸氏を花による美しいまちづくりのコーディネーターに任命されました。こうした取組に加え、花による美しいまちづくりは市町村や地域コミュニティーが主体となって行うのが重要であり、県として市町村への支援などの必要があると考えています。
 そこで知事に伺います。まず、花による美しいまちづくりについて、これまでどのように取り組んできたのかお示しください。また、これまでの取組を踏まえ、今後花による美しいまちづくりをどのように進めていくのかお尋ねいたします。
 次に、幼児期におけるワンヘルス教育についてお尋ねします。ワンヘルスを県を挙げて推進していくには、県や県議会議員だけではなく県民の皆様の理解、その主体的な取組が重要と考えます。県では、令和二年十二月に全国で初めてとなる福岡県ワンヘルス推進基本条例を制定し、令和四年三月には同条例に定める六つの基本方針を着実に進めていくために福岡県ワンヘルス推進行動計画を策定しました。これに基づき、ワンヘルスフェスタの開催やワンヘルス宣言事業者登録制度の創設など、ワンヘルスの理念の普及啓発を行うとともに、県民による実践活動を促進する取組を進めているところです。
 こうした取組により、県民のワンヘルス認知度は上がっていますが、まだまだワンヘルスという言葉を知らない、聞いたことがないという方もおられます。ワンヘルスの取組をさらに広げていくためには、子供たちに対する教育の役割は大変重要だと考えます。
 県では、令和三年度に発達段階に応じた教育啓発リーフレットを作成し、公立・私立の小中高の対象学年の全生徒に配付するとともに、県立高校八校、私立高校二校を研究協力校に指定し、授業実践の研究を実施しています。そして、昨年度からは県立・私立の全高校を対象として、教員向けのワンヘルス教育研修会や各学校への外部講師派遣などを行ってきており、今では多くの高校でそれぞれの特色を生かした実践活動が活発に行われております。また、今年度からは公立の小中学校においても、義務教育段階に応じたワンヘルス教育を推進してまいります。こうした取組により、小中高でワンヘルスの教育は着実に進んでおります。
 しかしながら、幼児期におけるワンヘルス教育はこれまで推進されておりません。幼児期は生涯にわたる考え方や行動の基礎を培う重要な時期です。将来にわたって多くの県民の皆様がワンヘルスという言葉に慣れ親しみ、その考え方を自然に身につけてもらうためには、幼稚園や保育園における幼児期からのワンヘルスの教育が重要であると考えます。
 県内の幼稚園や保育園に通う園児はおよそ十七万八千人に上ります。園児に対するワンヘルス教育を実践することで、家庭においてもワンヘルスが話題に上り、保護者にも波及することにより認知度の大きな向上が期待されます。
 我が会派に、幼稚園や保育園の関係者の皆様から積極的にワンヘルス教育に取り組みたいというお話をいただいております。県としてもこうした声をしっかり受け止め、幼稚園や保育園での幼児期におけるワンヘルス教育に取り組むべきではないかと考えます。
 そこで知事にお尋ねいたします。県にはワンヘルス教育の実践現場となる幼稚園や保育園の関係者からどのような声が届いているのかお聞かせください。また、そうした声を踏まえ、幼児期におけるワンヘルス教育に取り組むべきと考えますが、知事の考えをお示しください。
 次に、八女茶の振興についてお尋ねします。八女茶は室町時代の一四二三年、中国から帰国した栄林周瑞禅師が持ち帰った茶の種子と製茶技法を伝え、広めたことが始まりとされ、茶の栽培に適した自然条件を有する八女地域で古来より八女茶の栽培が盛んに行われてきています。
 その八女茶の中でも、まろやかな風味と香りが特徴で品質が高く評価されている玉露は、全国有数の生産量を誇っております。さらにその中でも、稲わらで被覆栽培、手摘みによる摘採など妥協を許さない昔ながらの方法で丹精込めて作られた八女伝統本玉露は、世界の舞台で舌をうならせるほどのコクとうまみ、甘みで、一度味わえば忘れることのできない奇跡の一滴と言われています。
 このような八女茶の伝統と品質は、生産に携わる多くの人たちの努力により現在に受け継がれ、平成二十七年には、お茶では全国で初めて国の地理的表示保護制度、いわゆるGIに登録され、また一昨年には発祥六百年という大きな節目を迎えたところであります。
 こうした中、全国的なお茶を取り巻く情勢は、栽培面積、生産量ともに減少傾向で、県内の産地でも全国同様の状況と伺っており、生産者の減少や国内向けの販売価格の低迷を心配する産地の声も聞いております。
 一方で海外に目を向けますと、日本全体の緑茶の輸出量はこの十年間で二倍以上に増え、昨年の輸出額は過去最高額を記録するなど、欧米を中心に需要が高まっている状況であります。加えて、昨年訪日外国人数が過去最多、そして、旅行消費額も過去最高となったことも今後の日本茶の需要拡大の後押しとなるものと感じております。産地では、こうした状況を踏まえ、今後の販売拡大に向けた関心の高まりをうかがい知ることができます。
 八女茶を広める取組として、世界獣医師会次期会長である我が会派の藏内勇夫相談役は、ワンヘルスの理念を世界中に広める活動の中、様々な機会を捉えて福岡県ワンヘルス認証を取得している八女茶のすばらしさを発信していただいております。この取組は、日本食への関心や健康志向が高まっている海外において、八女茶のみならず県産農林水産物の販売拡大に大きく寄与していくものと考えます。
 そこで知事にお尋ねいたします。発祥六百年を迎える本県を代表するブランド農産物である八女茶の振興に県はどのように取り組んできたのか。そして、国内価格が低迷する一方、海外における日本食ブームなどにより緑茶の輸出量が拡大し、訪日外国人が増加する中、さらなるブランドの高みを目指すため、県は八女茶の振興にどのように取り組んでいくのかお答えください。
 最後に、県立高校の食堂についてお尋ねします。先月、本県の県立高校の食堂がテレビ番組で取り上げられ、福岡県は九割以上の県立高校に食堂がある学食天国であることなどが紹介されました。県教育委員会によりますと、本県では県立高校の九十五校のうち九十一校に食堂があるとのことですが、九州ではこの数字は突出しています。次に多い鹿児島でも六十一校のうち十二校、その次に多い佐賀県では三十六校のうち二校となっております。長崎県と熊本には食堂がないとのことです。
 このテレビ番組を見て、県立高校の食堂はどの程度利用されているのかが気になりました。そこで、事前に県教育委員会にただしたところ、令和五年度の一日当たりの利用率は約一四%と想像以上に低いことに驚いたところです。
 先日、知り合いの食堂業者の方とお話しする機会がありました。その方は、県立高校の食堂などを経営されていますが、生徒の利用が低迷している上に米や野菜などの原材料の仕入価格が大きく上がってしまい、日頃から経営努力をしているが、もはや限界に近いので食堂経営を辞めようと考えているという悲痛な思いを打ち明けられました。
 学食と言えば、安くてボリュームのある食事を提供することが求められています。そのため、提供する食事量を減らしたり、メニューの値上げをすることは、ほかの民間食堂より難しいのではないかと考えます。実際に、知り合いの業者によれば、メニューの値上げを学校に相談しづらいということを聞き及んでいます。これらの状況が続けば、食堂経営から撤退する業者が増えていくことを危惧しているところであります。
 そこで教育長にお尋ねします。今年度、食堂業者が撤退した県立高校、あるいは撤退を予定している県立高校があるのであれば、その数字をお示しください。次に、食堂の経営状況が厳しい業者に対して、県としてどのような支援をしているのかお答えください。また、県立高校の食堂の経営は民間事業者が行っていることから、公的な支援が制約され、限界があることは承知の上でありますが、子供たちにとって大事な施設であり、県としてもできるだけ食堂業者に寄り添った対応をしていくべきと考えますが、教育長のお考えをお尋ねいたします。
 これで私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

◯議長(香原 勝司) 服部知事。
*知事答弁

◯知事(服部 誠太郎)登壇 皆さん、おはようございます。御答弁を申し上げます。
 まず、国の経済対策を活用した二月補正予算についてでございます。本県の産業、経済、雇用を支える中小企業や農林漁業者、さらにはスタートアップなどの成長を支援する、医療・福祉の充実、防災・減災の取組を進め、県民の皆様の命、健康を守る、子供たちの教育を充実させる、こうした考えの下、国の総合経済対策を活用し、二月補正予算として八百九十一億円を計上し、先ほど早期議決をいただいたところでございます。今後、この予算を速やかに執行、実施をいたしまして、その効果を早期に発現させてまいります。
 具体的には、中小企業の賃上げを実現するため、生産性向上や経営革新、業務効率化の取組の支援、福岡バイオエコシステムの形成を一層推進するため、民間の創業支援施設を福岡バイオコミュニティ認定施設として認定する制度の創設や九州初となるシェアラボ設置の支援、大規模あまおう農家育成に向け、収穫ロボット導入も見据えた高設栽培施設の整備費への助成、消費者の購買意欲を喚起し、地域の商工業を下支えするため、商工会議所、商工会等が行う高プレミアム率の地域商品券の発行支援、併せてデジタル地域商品券を活用した顧客開拓の取組への支援などを実施いたします。
 医療・福祉分野では、人手不足への対応として、現場で働く方々の勤務環境を改善するため、看護・介護助手の雇用や休憩室の設置への支援、外国人介護人材の確保に向け、海外での活動費用に対する助成。
 防災・減災につきましては、能登半島地震を踏まえ、発災直後から使用可能な組立て式トイレの追加備蓄、トイレカー・コンテナトイレの試験的導入、国指定文化財の防災対策を推進するため、防災対策事業に係る補助率の引上げによる建造物等の所有者負担の軽減などを行います。また、万が一の原子力災害に備え、UPZ内における指定避難所の備蓄物資の充実や備蓄倉庫の整備費用に対する助成を実施いたします。
 教育分野では、人こそ宝であるという考えの下で、中学生の英語力を向上させるためAIアプリを活用した英語授業の実施とその効果検証を通じた県内全域への普及促進、一人一台配備いたしましたタブレット端末を活用した授業を充実させるための無線アクセスポイント等の増設などに取り組んでまいります。
 次に、本県のこれまでの地方創生の取組とその総括についてお尋ねがございました。急速に進行いたします少子高齢化や人口減少、東京一極集中などの課題に対応するため、平成二十七年十二月に策定いたしました福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略におきましては、四つの基本目標を設定いたしました。その後、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが人々の意識や行動に変容をもたらすなど、社会経済状況が大きく変化したことから、総合戦略を見直す必要が生じました。また、県の総合計画の見直し時期でもありましたことから、令和四年度、総合戦略の内容を包含した新たな総合計画を策定し、取組を進めてまいりました。
 基本目標一の魅力ある雇用の場をつくるでは、各地域の経済と雇用を支える中小企業が持続的に賃上げできるよう、価格交渉を支援するとともに、アトツギ・サッシンベンチャーをはじめ、地域で頑張る中小企業のチャレンジを後押ししております。
 また、雇用の場を拡大するため、国内外からの企業誘致にも取り組んでおります。半導体分野では、台湾のASE社が本県への進出を計画、アメリカのアムコー・テクノロジー社が国内初の研究開発拠点を開設、三菱電機がSiCパワー半導体新工場を建設いたしますほか、トヨタバッテリーと日産自動車がそれぞれ次世代の蓄電池工場を建設し生産を行うことが決定するなど、企業の進出や設備投資が活発化いたしております。
 さらに、農業分野では、雇用の受皿となる農業法人等の経営力の強化を促進し、雇用就農者が円滑に就業できるよう支援を行っております。
 二番目の結婚・出産・子育ての希望をかなえるでは、若い世代の皆様が結婚、子育てに夢や希望を持つことができるよう、出会いの機会の提供に取り組みますとともに、昨年度創設いたしました出産・子育て安心基金を活用し、病児保育、不妊治療、産後ケアを支援しております。また、働きたいとお考えの女性を応援するため、新たに開設いたしましたママと女性の就業支援センターでは、子育て中、あるいは非正規雇用、また求職中の女性の皆様に向けて、個別相談から就職あっせんまでの一貫したサポートを行っております。
 三番目は、地方創生を担う人材を育て、地域で生かすとともに、福岡県への人の流れをつくるであります。福岡県の次代を担う人材を育てるため、市町村や地域団体、企業などと連携し、子供たちが未来に向けてチャレンジし、羽ばたくことができる力を養います未来子どもチャレンジ応援プロジェクトを始動いたしました。また、子供たちが県内どこでも充実した教育環境の下で学ぶことができるよう、県立学校への一人一台タブレットの配備を実現し、その取組を私立学校まで広げました。
 本県への人の流れを生み出しますため、東京及び福岡にふくおかよかとこ移住相談センターを設置し、きめ細かな相談対応を行いますとともに、本県独自の取組といたしまして、移住支援金の支給対象を人材不足分野の医療・福祉、農林漁業分野まで拡充するなど、市町村とも連携し移住・定住の促進に取り組んでおるところでございます。
 四番目の誰もが住み慣れた地域で暮らし、活躍できる、安全・安心で活力ある地域社会をつくるでは、高齢者の皆様が多様な活躍の機会を得られるよう、生涯現役チャレンジセンターを設置し、高齢者の就業、社会参加を支援しております。
 あわせて、福岡高速三号線の延伸、八木山バイパス及び東九州自動車道の四車線化、有明海沿岸道路の県内区間全線開通など、基幹的道路の整備は着実に進んでおります。また、西鉄天神大牟田線連続立体交差事業による高架切替え、BRTひこぼしラインの開業などが実現をいたしまして、地域の振興に寄与いたしております。
 このように、地方創生の実現に向け様々な取組を行ってまいりましたが、本県の合計特殊出生率は、平成二十七年の一・五二をピークに低下を続け、令和五年は一・二六となっております。また、国内での人口移動の状況を見ますと、本県は全体としては転入超過の状況であります。しかし、東京圏へは転出超過が続いておりまして、平成二十六年の約六千九百人から令和三年には約三千四百人へと縮小したものの、再び増加に転じ、昨年は約六千九百人に戻っております。
 このように、本県は依然として厳しい状況に置かれており、地方創生の実現は道半ばであると認識しております。今後とも、引き続き真正面から取り組んでまいります。
 政府方針を踏まえた本県の今後の取組についてでございます。政府の基本的な考え方によれば、地方創生二・〇の検討に当たっては、地方が自主的・主体的に取り組むといった従来の枠組みは維持しつつ、地方創生二・〇の基本構想の柱として、安心して働き、暮らせる地方の生活環境の創生、東京一極集中のリスクに対応した人や企業の地方分散、付加価値創出型の新しい地方経済の創生、デジタル・新技術の徹底活用、産官学金労言の連携など国民的な機運の向上、この五本の柱が示されたところでございます。
 政府は、この五本の柱に沿って検討を進め、今年の夏に今後十年間集中的に取り組む基本構想を取りまとめる予定とされております。県といたしましては、この政府の基本構想との整合性を図りますため、必要に応じ県の総合計画の見直しを行い、国の交付金を最大限活用することによって地方創生の取組を前進させてまいりたいと考えております。
 次に、福岡空港を活用した本県の成長発展についてお尋ねがございました。福岡空港は国内外の多彩なネットワークを活用した国際展開によって九州、西日本、アジアの拠点空港を目指しておりまして、現在未就航となっておりますインドネシア等のアジアの各都市や北米、オーストラリアを結ぶ路線などの戦略的な路線誘致に取り組んでいるところでございます。今後とも、増大し多様化する航空需要に幅広く応え、ゲートウエーとしての利便性を高めることによって、福岡県、そして九州全体の発展に寄与していくことが期待されます。
 九州運輸局の速報によりますと、昨年の福岡空港における外国人入国者数は、三百四十一万六千人余りとなっておりまして、二年連続過去最多を更新いたしました。来月には第二滑走路が供用開始されます。また、国際線ターミナルビルの整備により、空港サービスの向上や二次交通の乗り継ぎ環境の改善が図られ、空港の利便性の向上が期待されます。さらに、昨年二本目の滑走路の運用に備えまして、空港全体及びその周辺の視認性を確保いたしますため、新管制塔が整備され、運用が開始されております。今後も、関係者が安全運航の確保に取り組み、旅客の皆様が安全・安心、快適に御利用いただくことによって、ますます多くの外国人の皆様に御来県いただきたいと考えております。
 県では、このような増加するインバウンド需要を県内各地に取り込む、このために海外で人気のあるインフルエンサーの活用や現地での観光セミナーの開催など、県内各地の食や自然、伝統文化などの情報発信に取り組んでおります。また、訪日客向けのよかバス商品を開発し、海外の旅行予約サイトでの販売を推進いたしますなど、インバウンドの県内各地への周遊を促進してまいります。
 さらに、海外との往来が増加をいたしまして、福岡県の知名度が上がっていくことで二つの効果が期待されると考えております。
 一つ目は、県内事業者の海外展開でございます。海外に目を向け、新たな事業展開にチャレンジするスタートアップや中小企業の新製品開発、販路開拓などへの支援、あまおうや八女茶、博多和牛、福岡有明のりなど、本県ブランドの農林水産物の輸出拡大に引き続き力を入れてまいります。
 二つ目は、海外からの企業誘致や国際スポーツ大会等のイベントの招致でございます。昨年十月、福岡イズ・オープンセンターをアクロス福岡に開設をいたしまして、外国人の皆様の様々な相談にワンストップで対応いたしております。往来の利便性向上に加え、生活面での細やかなサービスを強みとして、海外企業の誘致やイベントの招致を図ってまいります。
 国際金融機能の誘致に当たりましても、香港、シンガポールをはじめ、成長著しいアジアからさらなる投資を呼び込み、本県の成長産業やスタートアップにその資金が供給され、付加価値を生み出し、還流した資金がまた新たな企業の進出や県内企業の成長につながっていく、このようなエコシステムを生み出してまいります。
 福岡空港を最大限に活用し、これらの取組を進めていくことで、アジアをはじめ世界から選ばれる福岡県を実現し、九州のリーダー県として、さらに成長発展させていきたいと考えております。
 次に、韓国との経済文化交流についてお尋ねがございました。本県では、平成四年からでございますが、日韓八つの自治体によります日韓海峡沿岸県市道交流知事会議を毎年持ち回りで開催をし、両地域の発展と友好関係の促進を図るための協議を行いますとともに、その合意に基づきまして、観光、あるいは青少年育成など幅広い分野で交流事業を行ってきております。
 観光分野での交流事業では、日韓両地域への誘客と両地域間の観光交流を促進いたしますため、平成六年から共同して広域観光ルートの開発や広報宣伝を実施しております。昨年十月には、旅行商品の開発につなげますため、両地域の旅行会社、観光団体などを対象といたしまして、日韓観光客誘致交流ファムツアーを韓国の全羅南道で実施したところでございます。
 また、青少年交流事業といたしましては、両地域の大学生がフィールドワークや講義を通じ、日韓両国の環境・エネルギー政策や日韓の歴史文化を学び相互理解を深めるグリーン成長戦略日韓学生会議を昨年八月、福岡県で実施いたしました。
 このほか、韓国との文化交流事業といたしまして、九州国立博物館は国立扶餘博物館及び国立公州博物館との間で学術文化交流協定を締結されており、研究者の相互派遣、あるいは派遣先での講演会の開催、文化財の貸借などの交流事業に取り組んでおられます。
 このたびのJR九州のクイーンビートルの路線廃止につきましては、三十年以上にわたり本県と釜山市民をはじめ、日韓両国の皆様に愛されてきた航路でございまして、私自身も大変残念に思っております。しかしながら、現在福岡と釜山の間を見てみますと、平成十六年からフェリーニューかめりあが就航しておりますほか、大韓航空をはじめ三社の航空便が一日七から八便就航いたしておりまして、活発な人の往来が続いておりますことから、昨年の韓国から本県への入国者数は、クイーンビートル運休中の十一月末時点においても過去最高の約百八十九万人を数えたところでございます。
 県といたしましては、引き続き日韓海峡沿岸地域との交流事業を中心として、経済、文化など幅広い分野において韓国との交流を進めてまいります。
 介護人材の確保についてでございます。県が昨年三月に策定いたしました高齢者保健福祉計画では、令和八年度における介護職員の必要数、これは約九万四千人と見込んでおります、令和五年度の介護職員数は約八万六千人でございまして、この差約八千人を確保する必要がございます。
 このため県では、高齢者保健福祉計画に基づき、介護事業者や関係団体などと連携、協力しながら、介護人材の参入の促進、労働環境・処遇の改善、資質の向上のための事業を実施し、介護人材の確保を図っておるところでございます。
 まず、参入の促進といたしましては、介護事業者が行います労働環境改善や人材育成の取組を求職される方々に分かりやすく示す働きやすい介護職場認証制度というものを昨年度創設いたしました。また、多様な人材の介護分野への参入を図りますため、介護業務未経験の元気な高齢者の方々などへの研修、あるいは介護福祉士を目指す外国人留学生への奨学金の支給支援などに取り組んでおります。
 労働環境・処遇の改善といたしましては、介護従事者の賃金改善を図りますため、介護報酬の処遇改善加算の未取得事業者等に対し勉強会や個別相談を実施をいたしまして、加算の取得を支援しているところでございます。また、昨年十一月、クローバープラザ内に新たに開設いたしました介護DX支援センターにおきましては、介護ロボットやICTの導入支援、介護事業所の業務効率化に対する助言、あるいは伴走支援、これを実施いたしております。さらに、在宅医療・介護職員カスハラ相談センターにおきましては、在宅介護従事者の安全確保にも取り組んでおります。また、介護職員の定着を図りますため、経験年数に応じた知識や介護技術を習得する研修などによりまして、資質の向上にも取り組んでいるところでございます。
 このようなことに加えまして、今議会におきましては、直面する人手不足に対応いたしますため、新たな参入促進の取組として、外国人介護人材を確保するため、複数の事業者の皆さんが連携して海外で行われる採用活動等への支援、また労働環境・処遇の改善を充実する取組として、現場で働く方々の職場環境改善や賃上げに取り組む介護サービス事業所に対する助成、介護ロボット・ICT機器の導入を行う事業所に対する助成、これらを行うために必要な補正予算を先ほど早期議決いただいたところでございます。今後も介護事業者や関係団体の皆様などと連携協力しながら、介護現場のニーズに即した施策を実施するなど、引き続き介護人材の確保に取り組んでまいります。

 次に、福岡県こども計画についてでございます。少子化の進展、児童虐待の増加、子供の貧困など、子供を取り巻く課題は多様化し、また相互に関連し合っております。このような中で、国はこども基本法を制定し、子供施策を総合的に推進いたしますため、これまでございました子供・若者育成支援推進大綱、子供の貧困対策に関する大綱、少子化社会対策大綱、この三つの大綱を一元化し、令和五年十二月にこども大綱を策定いたしました。
 これを踏まえまして、県では子供を取り巻くこういった複合的な課題に対応し、総合的に子供施策を推進いたしますため、青少年プラン、子どもの貧困対策推進計画、ふくおか子ども・子育て応援総合プラン、この三つを一本化いたしましたこども計画を策定することといたしまして、これまで進捗状況に応じ厚生労働環境委員会に御報告いたしますとともに、子育て支援・人財育成調査特別委員会において部局横断的に御議論をいただいた上で、本議会に提案させていただいているところでございます。
 この計画では、これまで三つの計画で取り組んでおりました内容を継承いたしますとともに、新たに全ての子供が持つ権利の保障を加えて四つの柱を設定することといたしまして、子供の命と権利を守り、心身の状況や置かれている環境にかかわらず、全ての子供が夢や希望を持ち、笑顔で暮らせる福岡県を目指し、子供の健やかな成長を支える施策に取り組むことといたしております。
 まず、この全ての子供が持つ権利の保障、これを第一の柱といたしました。この柱では、子供が権利の主体として認識され、多様な人格、個性が尊重されるよう、県民の皆様の理解促進を図りますとともに、子供の年齢や発達の程度に応じて意見が尊重され、最善の利益が優先して考慮されますよう、意見表明の機会の確保に取り組んでまいります。
 第二の柱は、成長段階に応じた子供への支援、未来を切り拓く人財の育成でございます。この柱では、子供がそれぞれの状況に応じた居場所につながることが健やかな成長に必要でありますことから、新たに居場所づくりの推進を取り組むべき施策に掲げ、放課後児童クラブや子供食堂への支援などに取り組むことといたしております。
 第三の柱は、きめ細かな対応が必要な子供への支援でございます。この柱では、家族への介護が日常化することで学業や友人関係に支障が出てしまうなど、権利が侵害されている子供の負担を軽減、解消いたしますため、新たにヤングケアラーへの支援を取り組むべき施策に掲げております。また、虐待や貧困などから子供を守るため、市町村要保護児童対策協議会の支援強化や帰る場所のない子供のための一時的な避難場所の設置などに取り組んでまいります。
 第四の柱は、結婚・子育ての希望をかなえ、子供を安心して産み育てることができるための支援でございます。この柱では、中学生・高校生が親となるイメージを持つための乳幼児触れ合い体験の実施や若い世代の結婚の希望がかなうよう、就職や所得向上への支援、出会いの機会の創出に取り組んでまいります。また、仕事と子育ての両立を実現いたしますため、女性が健康で長く働き続けられる職場環境の整備などに取り組んでまいります。
 このこども計画の推進につきましては、今回三つの計画を一本化したことを受け、これまで庁内に三つございました推進本部を統合し、私を本部長とするこども施策推進本部を新たに設置し、施策を実施してまいります。
 次に、スタートアップ支援についてでございます。この春、いよいよ世界的なスタートアップ支援機関でございますCIC(ケンブリッジ・イノベーション・センター)がアジアで二か所目となります拠点CIC福岡を福岡市天神のワン・フクオカ・ビルディング内に開設をいたします。CICの進出は、スタートアップ支援を加速する大きなチャンスでございまして、この機を捉えCIC福岡内に県として初めてのスタートアップ支援拠点となりますグローバルコネクト福岡を設置する考えでございます。
 このグローバルコネクト福岡には、スタートアップや中小企業の皆様の成長を総合的に支援するため、資金調達、ビジネスマッチング、海外展開、先端技術、専門人材マッチングなどの専門スタッフを配置し、毎月一回バイオや宇宙などのテーマごとにスタートアップが登壇をして資金調達やビジネスマッチングを目指しますエフピッチを開催する。それから海外展開に挑戦する企業を対象とした各種セミナーの開催や国ごとのビジネスに精通した専門家による助言を行う。海外の金融機関やベンチャーキャピタルとのマッチングを図る。技術力はあるが財務やマーケティングなどに悩むスタートアップと専門人材を結ぶCXOバンクを通じた人材マッチングを行う。このようなことに取り組むことといたしておりまして、関連予算を今議会に提案させていただいております。さらに、本県と友好提携を結びますタイ・バンコク都や半導体企業の進出検討により関係が深まりつつございます台湾などからスタートアップを招聘し、金融機関や県内企業とのマッチングを図るイベントの開催を検討してまいります。
 こうした取組を通じ、スタートアップを成長させ、億単位の資金調達を達成する県内企業を毎年二十社以上生み出すことを目指してまいります。アジアを中心に世界から企業や資金、人材などが集積し、さらなるスタートアップの創出や成長につながるグローバルなエコシステムの形成を図ってまいります。
 次に、道路啓開計画の見直しについてお尋ねがございました。令和六年能登半島地震では、緊急輸送道路が大規模な斜面崩壊や地滑りなどで被災し、啓開作業に困難が伴いました。このような中にあっても、自衛隊や電力会社などとの連携により、代替路の確保を確実に進めることができたものと認識しております。
 また、現計画においては、警固断層地震を対象とした計画としているところでございますが、近年気候変動に伴い水災害がより激甚化、頻発化いたしておりますことから、様々な自然災害を対象とすべきであると考えております。
 このようなことから、新たな道路啓開計画は、地震に加え水災害など幅広い自然災害を対象とした上で、斜面崩壊の可能性が高いなど道路が閉塞するリスクの高い箇所を可能な限り避けた啓開ルートの設定、自衛隊や電力会社、日本自動車連盟といった多様な関係機関との連絡体制の構築や訓練の実施など、実効性を高める仕組みについて盛り込むことといたしております。
 計画の見直しに当たりましては、道路管理者や県警察で構成いたします大規模災害における福岡県道路対策協議会に新たに自衛隊や電力会社等にも参加していただき、議論を進めておるところでございます。この新たな道路啓開計画につきましては、今年度末の策定を目指しております。今後とも、関係機関との意見交換や訓練を定期的に実施をいたしまして、計画の実効性を高め、大規模な自然災害の発生に備えてまいります。
 次に、県が管理する下水道管路の老朽化へのこれまでの取組と今後の対応についてでございます。県では、御笠川那珂川流域をはじめ、八か所において流域下水道事業を実施しております。この八か所それぞれの流域ごとにストックマネジメント計画を策定いたしておりまして、計画的に維持管理を行っているところでございます。
 このストックマネジメント計画では、管路やポンプなどの処理施設ごとに点検頻度や改修の判断基準を定めております。この計画に基づき、管路施設については腐食するおそれの大きい箇所については五年ごとにマンホールからの目視及びカメラによる点検を、また十年ごとに下水道管路内を自走式カメラで詳細な調査を行っているところでございます。この調査の結果に応じて随時必要な改修を行っております。
 今回の埼玉県における事故を受けまして、国からは緊急点検の要請のほか、全国の下水道管理者に対し適切な施設管理を徹底するよう要請がなされました。なお、今回国から要請のあった緊急点検の対象ではございませんが、県独自の対応といたしまして、流量が多く管径が二メートル以上ある御笠川那珂川流域の管路につきまして、今月四日未明に緊急点検を実施いたしました。その結果、直ちに対応が必要な状況は確認されませんでした。
 今後の老朽化への対応につきましては、今回の事故原因や課題は国や埼玉県により今後明らかにされていくものと思いますが、県といたしましては、それらの動向を注視しつつ、まずは先ほど来申しておりますストックマネジメント計画に基づき、引き続き的確に調査点検を行い、必要な改修を行ってまいります。
 次に、花による美しいまちづくりのこれまでの取組についてでございます。花による美しいまちづくりを進めますためには、まず県自らが取り組むことが重要でございます。このため、庁内各部で連携して花に関する取組を今年度から推進いたしますため、生嶋副知事をリーダーとする花による美しいまちづくり推進プロジェクトチーム会議を令和五年九月に設置をいたしました。
 これまでの具体的な取組といたしましては、県庁ロビーや天神中央公園の旧福岡県公会堂貴賓館などの県の施設のほか、JR博多駅あるいは福岡空港、九州国立博物館などの公共施設を県産花卉で飾り、観光客の皆様や来場される皆様をおもてなししたところでございます。また、国内外から多くの選手や観客が訪れます昨年六月のバレーボールネーションズリーグや十一月の卓球のWTTファイナルズといった大規模国際大会の会場を県産花卉で装飾をいたしました。さらに、県内四か所の下水道浄化センターで開催いたしました下水道展におきまして、御来場いただいた多くの親子連れの皆様や地元の皆様などに花の苗や種をプレゼントするなどの取組を行ってまいりました。
 こういった取組を県内全域に広げるには市町村との連携が重要でございます。このため、今年度市町村への花壇整備等の補助制度を設けました。この補助制度を活用していただくため、市町村に対する説明会を県内四か所で開催いたしますとともに、必要に応じ市町村を個別に訪問させていただいております。
 また、福岡市が取り組んでおられます一人一花運動と連携し、花による美しいまちづくりを県内全域に広げることを昨年十二月二十日に福岡市役所において、香原議長お立合いの下、高島市長と私と共同で発表したところでございます。県の一人一花運動のロゴマークは、福岡市のロゴマークを基調として、県の花である梅の花をあしらい、ワンヘルスのロゴを取り入れております。
 さらに、花や緑の植物に関する専門的な知識や技術を持ち、地域で花によるまちづくりにも実績のある方に県のコーディネーターになっていただくことによって、この取組をより効果的に進めることができると考えております。このため先月九日、県議会から香原議長をはじめ主要四会派の代表の方々、そして世界獣医師会次期会長でいらっしゃいまして自民党県議団相談役でいらっしゃいます藏内先生にも御出席を賜りまして、世界の第一線で活躍されております庭園デザイナーであり緑の魔術師と称されております石原和幸氏を花による美しいまちづくりのコーディネーターに任命したところでございます。
 この花による美しいまちづくりの今後の取組についてお尋ねがございました。まず、県の取組といたしまして、引き続き先ほど述べました推進プロジェクトチーム会議を活用し、全庁を挙げて取組を継続して進めてまいります。また、県が実施をしておりますさわやか道路美化促進事業というのがございますが、この事業におきまして、道路の清掃や除草などを行っていただいている個人、あるいは町内会、企業などの団体の皆様に積極的に花を植えていただけるよう働きかけを行ってまいります。
 今年度から始めました市町村に対する花壇整備の補助につきましては、市町村にその活用を広く働きかけましたところ、二市三町から公園やコミュニティー施設などへの整備について補助の申入れがございまして、今年度整備されることとなっております。
 さらに、花による美しいまちづくりに協賛をいただける企業を募集をいたしまして、企業名が入ったロゴプレートを市町村の花壇などに設置していただきますことで、企業の社会貢献の取組を県民の皆様に知っていただく取組も始めました。今後、積極的に多くの企業に協賛を働きかけてまいります。加えて、ボランティア団体の皆様や住民の皆様が花苗や肥料を安く購入できる一人一花割引制度により多くのお花の販売店が参加していただけるよう呼びかけてまいります。
 コーディネーターに任命いたしました石原氏は、花で包まれた美しいまちをつくり、子供からお年寄りまで笑顔で心豊かに暮らしていける、そんなまちをつくっていきたい。そういった中で、観光産業や農業などの振興にも役立てることができればという理想をお持ちでいらっしゃいまして、私も非常に共感をしているところでございます。石原氏は、全国各地でも花によるまちづくりについて多くの実績をお持ちでございますので、花に関することはもとより、観光業や花卉産業などの活性化にも御助言いただくことといたしております。また、県が主催いたします講演会やセミナーに出向いていただきまして、直接住民の皆様に花による美しいまちづくりの魅力を伝えていただき、機運の醸成に御協力をいただくことといたしております。
 県といたしましては、このような取組を通じて、他のモデルとなるような地域を生み出し、県民・自治体・企業などの皆様と共に世代を超えて県内に花による美しいまちづくりの大きなうねりを起こしてまいります。
 次に、ワンヘルス教育の実践現場となる幼稚園や保育園の関係者からの声についてお尋ねがございました。私立幼稚園振興協会や保育協会は、現場で働いておられます幼稚園教諭や保育士の皆様にワンヘルスを知っていただくために、これらの団体の会報誌において、ワンヘルスの意義や世界獣医師会次期会長藏内先生の子供たちへのメッセージを紹介されているところでございます。幼稚園教諭や保育士からは、園における芋掘りや花の種植え、愛玩動物の飼育などの体験活動がワンヘルスの理念につながっておりまして、このことを子供たちに正しく伝えるための研修や子供にも分かりやすい教材も必要であるとの声をいただいております。
 この幼児期におけるワンヘルス教育への取組につきましては、幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を担う重要なものでございまして、その際に自然や動植物に触れる体験の機会を設けますことで、自然への愛情を育み、動植物を命あるものとしていたわり、大切にする気持ちを育てること、手洗いの習慣づけなど、自らの病気の予防に取り組むことにつながります。
 こうした体験活動を通じた幼児教育は、人と動物の健康、環境の健全性を一体的に守る心を育てるワンヘルスの考え方の基礎でございますため、幼児期からワンヘルス教育の取組を進めることは重要であると考えております。
 このため、県では私立幼稚園振興協会と協議をいたしまして、協会のホームページで各園が実施しております動物や植物、自然との触れ合い体験などを掲載し、事例を共有していただくこととしておりまして、この取組を幼児教育の場全体に広げていきたいと考えております。
 また、四王寺県民の森などのワンヘルス体験施設やワンヘルスマスター紹介事業を幼稚園や保育園に御紹介いたしますとともに、福岡県獣医師会や私立幼稚園振興協会、保育協会等の御意見をお伺いしながら、ワンヘルスを正しく理解するための研修の実施や幼児にも分かりやすい絵本などの教材の作成を検討してまいります。
 こうした幼児期からのワンヘルス教育を通じ、大人になっても生きとし生けるものの命を、そして私たちが住むこの地球を大切にする、このような人を育ててまいりたいと考えております。
 次に、八女茶の振興に向けた県の取組についてでございます。県では、収量・品質の向上を図りますため、乗用型の摘採機や、あるいは霜を防ぐ防霜施設の導入の支援に加えまして、IoTを活用いたしました熟練技術の伝承、また地域の外から短期雇用を確保する仕組みの構築、このような取組を進めてまいりました。
 また、消費の拡大、販路の拡大を図りますため、八女茶のロゴマークを活用したPRを行いますとともに、首都圏や海外での八女茶の入れ方セミナーや国内外のバイヤーの皆様を産地八女に招聘する、こういったことを実施したところでございます。さらに、八女茶発祥六百年を迎えました昨年度は、全国お茶まつり福岡大会に合わせ、八女茶の宴を福岡市、そして北九州市で開催するなど、八女茶の魅力を広く発信してきたところでございます。
 このような取組の結果、全国茶品評会玉露の部におきまして、農林水産大臣賞を二年連続で、また八女市は二十四年連続で産地賞を受賞されております。加えて、イギリスで開催されました世界的なティーコンクールにおきましては、八女茶が二年連続で世界一を受賞するなど、その品質は今や国内にとどまらず、世界でも高く評価されているところでございます。
 このように八女茶の品質は高く評価されておりますが、日本人の茶離れによる国内価格の低迷、あるいは近年の資材高騰による生産コストの増加、このようなことのため、茶農家の皆様の経営は一段と厳しい状況になっておると認識をいたしております。
 一方、海外では健康志向や環境意識の高まりによりまして、抹茶やオーガニック茶が高価格で取引されております。このようなことから、抹茶やオーガニック茶への転換を促進し輸出拡大を図りますとともに、ワンヘルスの実践につながる環境に配慮した生産を進めていくことが重要であると考えております。
 このため生産面では、抹茶加工施設への改修に対する支援や大規模法人への茶園集約による効率的な生産を促進することにより生産体制の強化を図ってまいります。また、オーガニック茶の生産拡大に向け、従来の栽培方法からの転換に必要な費用を助成する補正予算を編成をいたしまして、先ほど早期議決をいただいたところでございます。
 販売面では、大濠公園には県が八女茶カフェを開設をいたしております。また、芦屋町の芦屋釜の里では、八女茶と同様に六百年の歴史を有し、国の重要文化財である釜の展示が始まっております。このような国内外から観光客が訪れ、身近にお茶を味わうことができる施設において、八女茶の品質の高さのみならず、その歴史や茶文化を体験できるイベントを開催いたします。
 また、在福岡の総領事、領事や在京の各国大使など、母国に対する発信力をお持ちの方々に対し、私自らが八女茶の魅力を発信してまいります。加えて、海外の高級レストランにおいて、飲食店関係者などを対象に、この八女茶のロゴマークとともに抹茶やオーガニック茶を活用したPR試食会を開催し、さらなる八女茶の輸出拡大に取り組んでまいります。
 県といたしましては、世界に選ばれる福岡県の逸品としての八女茶となりますよう、国や関係団体と連携し、ワンヘルスの理念で栽培された八女茶のブランド力をさらに高め、日本茶の文化とともに八女茶の魅力を国内外に発信することによりまして、生産者の所得向上、ひいては産地規模の拡大にしっかりとつなげてまいります。

◯議長(香原 勝司) 寺崎教育長。
*教育長答弁

◯教育長(寺崎 雅巳)登壇 お答えいたします。
 県立高校における食堂事業者の撤退状況についてでございます。利用者数の減少や人件費の上昇などによりまして、食堂経営の継続が困難になったことから、今年度既に一学校で事業者が撤退をしておりまして、年度末までにさらに十三校で事業者が撤退をする見込みでございます。なお、このうち一つの学校を除きまして、既に後継の事業者が全て決まっております。
 次に、食堂事業者に対する運営支援と今後の対応についてでございます。学校の中にある食堂は、子供たちが学生生活を送る上での利便性の観点から大切な施設でございます。そのため県教育委員会では、事業者の厳しい経営状況を踏まえまして、食堂の施設使用料の九六%を減免をしております。さらに、共益費は全額を免除し、光熱水費は五〇%を減免をしております。また、食堂運営に必要なガス炊飯器やゆで麺器などの調理機器や設備を整備をしまして、無償で提供をしております。
 さらに、事業者の撤退を食い止めるためには食堂利用率を上げていく必要があることから、魅力あるメニューづくりのため、生徒や教職員の声を事業者に伝えたり、食堂の利用を促すPRを生徒に行ってまいります。また、例えばメニューの価格設定の相談や営業時間の延長、地域住民への開放など、事業者からの創意工夫ある提案に対しまして、丁寧に応じるよう各学校に対して働きかけてまいります。あわせまして、事業者の収入増加につながる自動販売機の設置について事業者から要望があった場合は、その要望に沿えるようしっかりと取り組んでまいります。

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