ボクが暮らしているところをはじめ、都市部の街中に出て行くと、外国から来ている人たちが働いてる光景に出会う機会が増えましたね。ある地域にあるコンビニのスタッフは、ほぼ外国から来ている人が働いているというような場面にも出会うことも少なくはないですよね。
そうなんです。人口も減少していって、いろいろなところで働く人が減ってきている今、外国人労働者の力も借りないと社会が回らないようになってきているんかなとも感じています。
また、世界でSDGsがすすめられているなか、「地球上の誰ひとり取り残されない」ことを誓われていて、ようやく多様性が大事とか言われてきていますね。それは、日本だけのことではないはずです。
一方で、最近ボクは、モヤモヤすることも増えてきたように思っています。それは、外国人労働者を排除するような動きが、SNSの世界だけではなく、政治の世界でも「排外主義」的な発言が目立ってきていることです。その中でもビックリするのは、外国人に国が乗っ取られるとか、外国人が生活保護を不正受給しているなど、どんな根拠で言っているのか全然わからない状況もあります。
間違いなく日本は、法治国家でしょ。4年ほど前には、在留資格のある外国人が生活に困窮したから、市役所に行くと「外国人には、生活保護は出せない。国に帰ればいい」と暴言を吐かれた事件もありました。その時の新聞報道でも、 生活保護法では保護の対象を「生活に困窮する国民」と規定するが、2018年12月に安倍晋三内閣は、永住者や定住者などの在留資格を持つ外国人も「(同法による)保護に準じた保護の対象となる」との答弁書を閣議決定したと伝えられているのです。にも関わらず、政治の世界でも・・・どうなってるんかな。
誰の都合かはわからないですが、外国人を労働者として安く使うだけ使って、一部の排外主義者が出てきたら追い出すという人権を無視した状況は、絶対に看過できないですよ。
ボクが一貫してめざしているのは、フルインクルージョンです。それは、分けないこと。排除しないこと。そして、ともに生きていくということです。
障害があってもなくても。日本人であっても外国人であっても。その人らしく生きていける社会をどうやったら創っていけるか。最初は、障害のある人や外国の人に出会ったことがないからコミュニケーションが取れないのでは、文化が違うから理解できないのではなど、正直言って、めちゃくちゃ不安で面倒くさいことと思っているかもしれません。でも、その不安をごまかして、その面倒くささを排除して、似たような人間だけで固まって生きる社会で「多様性が大事」といっても、嘘くさく聞こえるんです。
「ともに生きる」っていうのは、お互いの「弱さ」をさらけ出し、助け合って生きていくことです。効率や生産性だけで見れば、多文化共生なんてコストがかかるだけかもしれない。でも、効率を追い求めた結果、今の日本はどうなりましたか? 誰にとっても息苦しい、余裕のない社会になってませんか。
「混ぜこぜ」の社会は、確かにややこしい。でも、そのややこしさの中にこそ、新しい時代の「豊かさ」が隠れていると、ボクは確信しています。さあ、もっと混ざり合いましょう。その方が、人生絶対におもろいんやから。
玉木 幸則
一般社団法人兵庫県相談支援ネットワーク 代表理事
1968年、兵庫県生まれ。脳性マヒの当事者として自立生活運動や相談支援に携わる。内閣府障害者政策委員会委員を10年務め、国の政策提案にも尽力。NHK『きらっといきる』や『バリバラ』などの番組に16年間出演していた。誰ひとり取り残されない「フルインクルージョン」の社会実現に向けて全国で発信中。












